プグ助の、いろんな味を食べてまわるブヒー旅(4)

 

 

あらすじ

 

食いしん坊のプグ助は

回路しゃんと共に旅を続けていた。

これまでの旅の間に、

竜宮城では、

乙姫や乙ヘビやその他の仲間達と出会い、

風の無人島では、

風の声助や海辺の仲間達と出会い、

旅先での困難(?)をクリアした。

それぞれのエリアの問題を解決してきた

プグ助だったが、

「風のメユの減少を調べる」という

回路しゃんの言葉に、

「ブヒ、どういう事ブヒ?」

と疑問を持ちながら旅を続けていた。

今回は、どうなっていくのやら・・・

  

 

始めに

 

この創作物はフィクションであり、

実在の人物及び団体とは関係ありません。

しかし、こちらの認識不足により、

以前から活動されている方々の活動内容及び

創作内容と重複してしまう場合も考えられます。

この場合、相互の活動の住み分けの為に、

こちら側での名称変更及び内容の見直しなど、

公の場での発表の後、プラン修正として考えております。

「こちらの創作物の内容について何かございましたら、

 連絡をいただければ、

 再考の後に内容修正いたします。」

この考えをこちらの基本的な活動方針とし、

この創作物の内容にて、

全ての皆さんに、このストーリーを贈ります。

 

 

注意

 

今回のストーリー後半に、

暴力的で下品なセリフが出てきますので

ご注意下さい。

 

 

 

 

 

第四章 (大地の交流点)

 

大いなる光と

潤いたる水を受けとめて、

大地は脈動を続けている。

この地に生きる生物達を支え、

安定と調和と変化をもたらす柱として

存在していた。

今も昔も、

時の流れと共に過ごし、

新たな誕生と旅立つ別れを見守る

優しき強さに、

自然は大地へ、

同胞としての信頼と尊敬の念を抱いた。

 

「ブヒ、

 じっちゃんさん

 ありがとうブヒ。」

「おぅプグ助、

 人生は大変じゃが

 特殊な人と元気での。」

プグ助はじっちゃんから

手作りおにぎりを貰って、

海沿いを後にした。

・・・

「ブヒ、

 回路しゃん、

 聞きたい事があるブヒ。」

「風のメユの減少について

 教えてほしいブヒ。」

このプグ助のいきなりの質問に

回路しゃんは、

「プグ助さんには

 言っていなかった事なので、

 疑問に思ったとは

 考えていました。」

「ブヒ、

 ぼくちゃんの知らない事ブヒ。」

「風のメユって何か分からないブヒ。」

「そうですね、

 まずはパートナーのプグ助さんへの

 説明を行なわなかった事を、

 心から謝罪します。」

「ブヒ、

 その辺はぼくちゃんは気にしないから

 大丈夫ブヒよ。」

「今から、

 「メユ」とは何なのか

 を説明します。」

「ブヒ。」

プグ助と回路しゃんは、

次の目的地へ向かいながら、

話を続けた。

「プグ助さんや私、

 この地に生きる全ての動植物は・・・」

「自然という環境で存在しています。」

「そして、

 自然にはメユという

 物質とは別の概念が

 存在しています。」

「ブヒッ、

 メユはがいねんって言われても、

 よく分からないブヒ。」

「この地に生きる存在は、

 自然から供給されるメユを

 取り込む事により、

 存在の維持が出来ていると言えます。」

「ブヒ、

 そう言えば乙姫が

 海のメユは自然エネルギーって

 言ってたブヒ。」

「プグ助さんに

 最も分かりやすい形としては、

 食べ物にもメユは宿っています。」

「ブヒ、そうなの?」

「はい、

 しかし、いつの頃からか・・・」

「自然から供給されるはずのメユが

 減少を始めたのです。」

「ブヒ、

 メユが減少すると、

 どうなるブヒか?

 食べ物が無くなってしまうブヒか?」

「食べ物は無くなりません。」

「ブヒー、

 ほっとしたブヒ。」

「しかし、

 自然のメユが減少する事により、

 この地の生態系という

 全ての動植物がバランスを失い、

 衰退を始めてしまうのです。」

「ブヒ、

 そうするとどうなるブヒ?」

「この地が

 生物のいない荒れ地に

 変わり始めてしまいます。」

「ブヒッ、

 大変ブヒ。」

「しかし、

 プグ助さんの働きの成果で・・・」

「竜宮城の「水のメユ」と、

 無人島の「風のメユ」の回復が

 確認出来ました。」

「ブヒ、

 風のメユの減少を調べるって言うのは、

 そういう事だったブヒね。」

「はい、

 この地には水と風のメユと、

 残り5つのメユが湧き出る場所が

 存在します。」

「そして、

 次の目的地は、

 3つ目の「メユの源泉」の場所です。」

「ブヒ、

 次の目的地は何のメユブヒ?」

「次のメユは、

 「土のメユ」です。」

「ブヒ、

 土のメユの源泉ブヒか。」

と、

プグ助と回路しゃんが話をしていると・・・

「そこにいるのはプグ助はん

 じゃないでっか~。」

「ブヒッ?」

プグ助が声の方を見ると、

「久し振りでんな~。

 ワイや、竜宮城の乙ヘビや。」

「ブヒ、

 乙ヘビさん、

 お久しぶりブヒ。」

「あの時は、

 ねーさんやワイや竜宮城のみんなが

 プグ助はんに良~してもらったさかい

 改めてお礼を言わせてもらいますわ~、

 ほんまおおきに。」

「ブヒ、

 ていねいにこれはどうもブヒ。」

「あの後、

 竜宮城はどうなっているブヒ?」

「そりゃーもう、

 ねーさんの元で竜宮城は

 みんな機嫌良~働いてまっせ~。」

「ブヒ、何よりブヒ。」

「プグ助はん、

 立ち話も何やから

 ちょっとお茶でも飲みましょか。」

「ブヒ、

 じっちゃんさんからもらった

 おにぎりがあるから

 どうぞブヒ。」

「お、

 気が利いてまんな、

 こりゃおおきに。

 プグ助はん、

 コンブ茶飲みなはれ。」

ひょんな事から再会した

プグ助と乙ヘビは、

コンブ茶を飲みながらおにぎりを頬張り、

長イスに座って話をした。

「ワイはねーさんのお使いで

 この辺を営業まわりしてまんねん。」

「プグ助はんの方は、

 何でまたここへ?」

「ブヒ、

 土のメユの源泉に向かう途中ブヒ。」

と、

これを聞いた乙ヘビが、

コンブ茶を口から吹き出しそうになって

驚いた。

「何ですと~、

 土のメユの源泉でっか~!!!」

「ブヒ、

 何か知っているブヒか?」

「知っているも何も、

 土のメユの源泉言うたら、

 ワイが借金こさえてしもうた場所

 でっせ~。」

「ブヒ、そうなの?」

「他ならぬ竜宮城の恩人のプグ助はんや、

 詳しい話を聞かせまっせ~。」

プグ助は乙ヘビの話を聞く事にした。

・・・

「今よりだいぶ前、

 ワイはひと山当てようと、

 土のメユの源泉で賑わう場所・・・」

「「大地の交流点」へ

 稼ぎに行ったんですゎ~。」

「大地の交流点は、

 そりゃ~もう

 存在とゼニと物が集まる場所で、

 この世の春と言う様な

 賑わいでしたわ~。」

「ブヒ、

 そんな賑わってる場所ブヒか。」

「大地の交流点に全てが集まり、

 土のメユを源泉として、

 そりゃーもう稼げる場所でしたわ~。」

「しかし突然、

 土のメユが減少してしまいましてな、

 変動の大暴落が起きてしまいましてん。」

「ブヒ、そうなの?」

「そうなのもこうしたのも

 ありまへんでしたで~。」

「もぅ、

 我ががアイデンティティーの激変で

 笑てまう程の大暴落でしたで~。」

「土のメユの減少で、

 ゼニと物の流れがストップ

 してしまいましてな、

 急な変動で

 どの店も棚スッカラカンでしたわ~。」

「ワイは借金しょってまったさかい、

 ねーさんの元へ

 トンボ返りして返済に追われて、

 その後大地の交流点がどうなってるかは

 よ~知りまへんねん。」

「プグ助はん、

 悪い事は言いまへん、

 土のメユの源泉の事は諦めて、

 近づかん方がえぇでっせ~。」

「ブヒ~ッ、

 どうしたものかブヒ・・・」

「プグ助さん、

 どうしますか?」

と、

回路しゃんにも聞かれたプグ助だったが・・・

「ブヒ、

 ぼくちゃんの目で

 自ら確かめてみないと

 分からないブヒ。」

「とにかく、

 まずはたしかめに行くブヒ。」

すると、

乙ヘビは呆れ顔になりつつも、

何かを決めた様子だった。

「プグ助はん、

 行くんでっか?」

「ブヒ、

 行ってみるブヒ。」

「・・・よっしゃ、

 他ならぬプグ助はんの為や、

 ワイが道案内しまっせ~。」

「ワイはねーさんのお使いの仕事があるさかい、

 そんなには行けまへんけど、

 途中までガイドとして同行しますわ。」

「ブヒ、

 お願いするブヒ。」

というわけで、

プグ助は乙ヘビの道案内で、

土のメユの源泉の場所・・・

大地の交流点へ行く事にした。

・・・

プグ助達は、

大地の交流点へやって来た。

大地の交流点は、

中央に高い山がそびえていて、

山の周辺が森林に囲まれていた。

さらに森林の外側に、

人々の街が存在するという様な地形だった。

「ブヒ、

 活気のありそうな街ブヒ。

 さっそく行っ・・・」

「あ~プグ助はん、

 街に行く前に、

 ワイも街用の営業スタイルに変わりますさかい、

 少しだけ待ってて~な。」

こう言うと乙ヘビは・・・

「営業スタイルに~

 変身でっすゎ~。」

ボゥン・・・

モクモクモク・・・と、

乙ヘビはモヤに包まれた後、

人間の姿に化けた。

「ブヒ、

 乙ヘビさん器用ブヒね。」

「これで良しっすゎ、

 ほんならプグ助はん、

 行きましょか。」

という事で、

人間に化けた乙ヘビがガイド役として、

プグ助を誘導した。

大地の交流点の街は人々で賑わっていた。

乙ヘビの話にあった

変動の大暴落の影響はあまり感じず、

活気に沸いていた。

「ブヒ、

 それなりに賑わっていて、

 別に変わった所はないブヒ。」

「それより、

 大地の交流点というだけあってブヒ・・・」

と、

プグ助の目の前にある店から、

ほんわか~と

食べ物の匂いが感じられてきた。

「ブヒ・・・

 食べ物がおいしそうブヒ。」

「よっしゃ、

 ほんなら情報収集も兼ねて、

 何か食べましょか。」

「あぁプグ助はんゼニの事なら

 心配いりまへんで、

 営業まわりの経費でっさかい。」

「ブヒ、

 何か申し訳ないブヒ。」

「あ~プグ助はん

 気にせんでえぇで、

 情報収集の為のビジネスやから。」

「プグ助はんは竜宮城の

 立派なビジネスパートナーやで~。」

「ブヒ、

 ぼくちゃんビジネスパートナーに

 なってたブヒか。」

という事で、

プグ助達は食べ物屋で

料理を頬張った。

「ブヒモグ、ブヒモグ、ブヒモグ、

 ぷぅ~ごちそうさまブヒ。」

「プグ助はん・・・

 料理の味はどないでしたか?」

「ブヒ、

 とても満足したブヒ。」

すると、

乙ヘビは考え込んだ表情で、

「そうでんな、

 ワイもプグ助はんと

 同じ意見でっすゎ~。」

「ただし、

 ワイが人間やったらの話でっけどね。」

「ブヒ、

 何か気になる部分があったブヒか?」

「メユの味が

 全くしてきまへんのや・・・」

「ブヒ、

 メユの味ブヒか?」

「栄養あるさかい、

 人間サイドでは問題ありまへん。

 でも自然サイドでは

 えらい事になっとりそうでっすゎ~。」

「ブヒ、そうなの?」

「プグ助はん、

 次は自然サイドでの情報収集やで。」

という事で、

プグ助達は街の動物達に

情報を聞く事にした。

すると・・・

「はぁ~、

 メユの味がしないワン・・・」

「栄養はあるけどニャ~、

 メユの味がすっぽりと抜けてるニャ~。」

「フヒーン、

 いつもの干し草だけど、

 メユの味がしないロバー。」

と、

街の動物達が、

口を揃えた様にメユの味が

しないと答えた。

「プグ助はん、

 これは以前より大変でっせ~。」

「ブヒ、そうなの?」

「土のメユの減少が進んでまっすゎ~。」

「これは、

 大地の交流点を見に行ってみないと

 いけまへんな。」

「ブヒ、

 この街が大地の交流点じゃないブヒか?」

「ここは人間サイドの街でしてな、

 街の中央にある山の方が

 大地の交流点ですねん。」

「ブヒ、

 そうだったブヒか。

 それじゃあ本当の大地の交流点へ

 行ってみるブヒ。」

というわけで、

プグ助達は大地の交流点を目指して

中央の山の方へ向かった。

・・・

「ブヒ、

 自然豊かな森林ブヒ。」

「プグ助はん、

 ここからが本番でっせ。

 土のメユの減少が、

 ワイが借金こさえた時より

 進んどりまっすゎ。」

「これは、

 「源さん」に会うて

 話を聞いてみんといけまへんわ。」

「ブヒ、

 源さんって誰ブヒ?」

「ワイのお得意さんでしてな、

 まぁ、

 とにかく行ってみましょか。」

こうしてプグ助達は、

乙ヘビのお得意さんの

源さんを訪ねてみる事にした。

プグ助達が

山のふもとにある森を歩いていると、

「あら、

 乙ヘビじゃないの?」

と、

1匹のフクロウが、

乙ヘビに声を掛けてきた。

「おばちゃん、

 久しぶりでんな~。」

「アンタ、

 暴落の時借金しょってたけど、

 ちゃんと返せたの?」

「すったもんだありましたけど、

 何とか返済して、

 今は営業まわりで

 食いつないでまっすゎ~。」

「そうなの、

 心配してたんよ~、

 良かったわねー。」

「おばちゃんおおきにな~、

 ところで・・・

 源さんは元気にしてまっか?」

「そう、

 それなのよ~、

 ちょっと聞いてよ~、

 今、源さんが・・・」

という感じで、

久しぶりの話相手の乙ヘビに、

フクロウのおばちゃんの会話システムが

フル回転を始めた。

「・・・っていう事なのよ~。」

「なるほど、

 源さんが何か気が抜けた様に

 なってるんでっか・・・」

「そうなのよ、

 昔はそりゃもう元気で

 アタシも惚れぼれしたあの源さんが、

 今は元気がなくてね~。」

「そうなんでっか、

 ちょっと源さんに会いに

 行ってみまっすゎ。」

というわけで、

プグ助は乙ヘビに連れられて

源さんの元へ向かった。

「ブヒ、

 源さんってすごい人ブヒか?」

「そりゃーもう源さん言うたら、

 この大地の交流点の顔って

 言うほどのお方でしてな、

 土のメユをそりゃーもう

 生産しておりましたわー。」

「しかし、

 何か調子を崩しなはってな・・・」

「土のメユの生産量が

 少のうなってしまいましてん。」

「この土のメユの生産量の減少で・・・」

「ワイも借金しょってまったっていう

 いきさつでっすゎ~。」

「ブヒ、

 そうだったんブヒか。」

「とにかく、

 まずは源さんに会うてみましょ。」

プグ助と乙ヘビは、

山頂近くにある洞窟の中へ

入っていった。

「ここへ来るのは

 久しぶりっすゎ、

 源さん元気にしとりますやろか。」

「ブヒ(どんなお人ブヒか・・・)。」

そしてプグ助達は、

洞窟の奥の広い空間へやって来た。

「毎度おおきにー、

 源さん、元気にしてまっか~。」

「ブヒ、

 誰もいないブヒね。」

「何言うてまんのやプグ助はん、

 源さんが目の前におりまんがな。」

と言うと乙ヘビは

広い空間の奥の壁面に話し掛けた。

「源さん、元気にしてまっか~、

 乙ヘビが会いに来ましたで~。」

すると・・・

「ンゴォォォ~~~ッ、

 何だ・・・乙ヘビか・・・

 久しぶりだのぅ・・・」

ゴゴゴゴゴゴゴッ・・・

という地鳴りと共に、

空間の壁面に

目と鼻と口が浮かんできた。

「ブヒッ、

 でっかい顔ブヒ。」

「プグ助はん、

 このお方が源さんでっせ。」

「乙ヘビよ、

 そのイノブタは誰じゃ?」

「プグ助はん言いますねん。

 竜宮城の恩人で、

 ビジネスパートナーとして

 信頼出来まっさかい大丈夫でっせ。」

「ブヒ、

 竜宮城のビジネスパートナーの

 プグ助と申しますブヒ。」

「プグ助と言うのか~、

 良く来てくれたのぅ~。」

「源さん、

 調子はどうでっか?

 儲かってまっか?」

「ぼちぼちじゃよ・・・

 と、言いたいとこなんじゃがのぅ~。」

はぁ~っ・・・と、

源さんは大きなため息をついた。

「源さん、

 以前も調子崩しておりまったけど、

 どうしまったんや?」

「実はのぅ~、

 活力が湧かなくてのぅ~、

 土のメユの生産供給にも

 やる気が出なくてのぅ~・・・」

「土のメユの源泉に

 問題でも起きたんでっか?」

「いいや、

 源泉は大地の御加護により、

 今も昔も変わっておらんのじゃがのぅ~。」

「源さんの体に、

 何か変化が起きてるんでっか?」

「いいや、

 年齢は上がっているが、

 ワシの体の調子の方は

 昔と変わらないんじゃが、

 何かやる気が出なくてのぅ~。」

「ブヒ、

 やる気が出ない時は、

 食べたいと思う食べ物を

 口にすると良いブヒ。」

「食べたいと思う食べ物か・・・

 そう言えば・・・

 以前口にしていた「アレ」を

 口にしなくなってから

 何か調子が

 上がらなくなったのぅ~・・・」

「アレって何でっか?」

「アレについては

 フクロウが知っているはずだ・・・

 聞いてみるとよい。」

「分かりました、

 今日はこれで帰りまっさかい、

 源さんお体お大事にしてな。」

「お大事にブヒ。」

「おぉ~う、

 ありがとうな~。」

プグ助達は、

源さんの洞窟を後にした。

「ブヒ、

 源さん大丈夫ブヒか?」

「源さんはタフなお方や、

 心配おまへんて。」

「それよりプグ助はん、

 お手柄でっせ、

 源さんの体の不調の原因が

 アレっていう食べ物を

 口にしていないからという事に

 行き着けましたで。」

「ブヒ、

 源さんの言うアレって何ブヒ?」

「分かりまへん、

 フクロウのおばちゃんに

 聞いてみましょか。」

・・・

「あぁ、

 源さんの好物のアレね。」

「そう言えば、

 ここんとここの辺じゃ

 見かけなくなってたわ。」

「ブヒ、

 アレって何ブヒ?」

「本当なら

 よそから来た人には言えないけど、

 乙ヘビの知り合いだから

 特別におまけしてあげるわ。

 みんなには内緒にしておいてね。」

「ブヒ、

 ないしょにしておくブヒ。」

「源さんって真面目に見えるけど、

 けっこうな「酒飲み」なのよ。」

「お酒を飲んでは

 次の日二日酔いになってるのよ。」

「ブヒ、

 二日よいブヒか。」

「そうなのよ。」

フクロウのおばちゃんの会話システムに

エンジンがかかってきた。

「それでね、

 二日酔いになった源さんの

 土のメユの生産力が

 低下しちゃったから・・・」

「大地の交流点の動物達で、

 二日酔いに効く

 「内服液」をすすめたのよ。」

「ブヒ、

 内服液ブヒか。」

「そうなのよ、

 内服液で源さんの二日酔いも良くなって、

 生産力が回復したのよ。」

「でも酒飲みって調子が良くなったら、

 もっと飲み始めちゃうでしょ、

 源さんもさらに飲み始めちゃって

 二日酔いが重くなっちゃったのよ。」

「ブヒ、そうなの?」

「そうなのよ、

 それで普通の内服液では

 二日酔いの胃もたれが

 直んなくなっちゃったのよ。」

「そんな時に、

 大地の交流点に

 「旅の調合人」が来たのよ。」

「この調合人の作った

 「特別内服液」を源さんにすすめたら、

 とても気に入ってね。」

「源さんすごく土のメユを生産して、

 大地の交流点がすごく発展したのよ。」

「でもある時にね、

 旅の調合人が旅に出かけちゃったのよ。」

「それでその後、

 源さん元気出なくなっちゃったのよ。」

「そうでんな、

 源さんが調子崩した後、

 大暴落が起きましたな~。」

「旅の調合人の事は、

 宿屋のロバが知っているわ。」

「おばちゃんおおきに、

 良い話が聞けましたで。」

「ブヒ、

 ありがとうブヒ。」

「あら、

 もう行くの?

 おばちゃんもっと話したいから

 残念だわ。」

「ブタちゃんも

 またいらっしゃいね、

 おばちゃんお菓子用意しておくから。」

「ブヒ、

 ここへ立ち寄ったら

 また来るブヒ。」

という事で、

プグ助達は街にある宿屋の

ロバに話を聞きに向かった。

・・・

「フヒーン、

 旅の調合人が昔この店に来てたって話は、

 聞いた事があるロバー。」

「そうなんでっか、

 それでどんな話なんでっか?」

「フヒーン、

 何でも「特別内服液」が売れてたけど、

 材料の在庫が尽きたから

 仕入れに行ってくるといって

 出掛けたらしいロバー。」

「・・・ブヒッ・・・」

「プグ助はん、

 何を難しい顔してまんのや?」

「ブヒ、

 ぼくちゃんこの事について、

 疑問がわくブヒ。」

「その疑問って何でっか?」

「ブヒ、

 旅の調合人さんって、

 今900才以上の人なのブヒか?」

「そうでんな、

 プグ助はんの疑問は

 もっともな意見やで。」

「ブヒ、

 乙ヘビさんの借金が900年前で、

 旅の調合人さんが大地の交流点に

 来てたのがもっと昔と聞くと、

 ぼくちゃん混乱してしまうブヒ。」

「フヒーン、

 調合人が店に来てたのは、

 昔あった変動の大暴落前らしいロバ。」

「ブヒ、

 そうブヒね。」

「フヒーン、

 大暴落の後調合人は

 店に来ていないらしいロバ。」

「特別内服液は人気があったから

 街のみんなは残念がってたって話ロバー。」

「ほいでロバはん、

 その後調合人はんは

 何処へ行ったんでっか?」

「フヒーン、

 材料を探す為に

 スペースポートへ行くって

 言ってたらしいロバ。」

「手がかりになる情報聞けましたで、

 ロバはんおおきにな。」

「ブヒッ?

 スペースポートって何ブヒか?」

「説明は向こう行ってからしますわ、

 まずは行ってみましょか。」

「ブヒ、そうなの?」

「ロバはんおおきに、

 行ってみまっすゎ。」

「ブヒ、

 ロバさんありがとうブヒ。」

「フヒーン、

 よく分からないけど、

 旅のご無事をロバー。」

というわけで、

プグ助達はスペースポートへ

向かう事にした。

・・・

というわけで、

プグ助達はスペースポートへやって来た。

「ブヒ、

 すごい高いタワーが

 空の上まで伸びてるブヒ。」

「プグ助はん、

 あれは軌道エレベーターでっせ。

 ワイが聞いた話によると、

 何かこの地から別惑星っていう

 別のエリアへ行ける

 すごい仕組みらしいっすゎ。」

「何でも、

 人間サイドの

 科学機械テクノロジーの発展で、

 恒星間移動宇宙船っていうのやら、

 長期間存在維持システムっていう仕組みで、

 人間が自らの存在年齢のままの状態で、

 数百年周期の移動が出来る様に

 なったって話ですわ。」

「ブヒ、

 すごいテクノロジーの発展ブヒね。」

「全くでっせ~、

 ハイカラなもん使う時代に

 なったもんでっせ~。」

「せやから、

 旅の調合人はんも、

 人間サイドのテクノロジー使って、

 いろんな場所へ旅してるお人かも

 知れまへんな~。」

「今日びのお客はんは目が肥えてまっさかい、

 ワイがやってたりゅうぐじょうも

 お客はんが帰ってまう閑古鳥なんも

 仕方ない事でっすゎ~。」

「ブヒ、

 人類の科学技術って進んでるブヒね。」

「全くや、

 プグ助はんがワイと居るのを見ても

 技術の発展がうかがえますで~。」

「ブヒ、そうなの?」

・・・

スペースポート周辺でプグ助達は、

旅の調合人の足どりを追った。

「プグ助はん、

 闇雲に探してたら

 日が暮れてしまいまっから、

 頭を使いましょ。」

「ブヒ、

 どうするブヒか?」

「このスペースポートの周りで

 調合人が立ち寄りそうな場所が

 あるはずやから、この辺にある

 それらしい場所をあたってみましょ。」

「でもブヒ、

 900年前の調合人さんの行き先を

 探せるブヒか?」

「あてもなく探すよりは効率的でっせ、

 どうでっかプグ助はん?」

「ブヒ、

 そうブヒね、行ってみるブヒ。」

というわけでプグ助達は

周辺で旅の調合人が

立ち寄りそうな場所を探した。

すると、

スペースポート近くに

昔から営んでる感じの

古風な薬草専門店があった。

「プグ助はん、

 この店なら調合人はんが

 立ち寄ってそうでっせ~。」

「ブヒ、

 そんな感じがするブヒね。」

プグ助達が店の前まで行くと、

店の入口であくびをしているネコを見つけた。

「毎度おおきに、

 ネコはん、

 ちょっと聞きたい事がありますねん。」

「ブヒ、

 かくかくしかじかブヒ。」

すると、

店先にいたネコは・・・

「ニャー?

 旅の調合人ニャーか、

 アタシは先祖代々

 この店に飼われているネコニャーだけど、

 この店の主人様が

 「先祖代々の言い伝えで、

  店に時々不思議なもんを探しに来る客」

 が、やって来るとかおっしゃっていたニャー。」

「ブヒ、

 何だか都市伝説みたいな話ブヒね。」

「話によると、

 「特別内服液」っていうもんを作る為の

 「どこかに生える百年コンブ」っていう

 手に入りづらいもんを探しに来る

 お客らしいニャー。」

「ブヒ、

 たぶんそのなぞのお客さんが調合人さんブヒ。」

「そう言えば、

 数ヶ月前に来てたお客も

 どこかに生える百年コンブがあるかって、

 言ってた様な気がするニャー。」

「そのお客はんは

 どんな人だったんでっか?」

「ニャー、

 この店には置いてなかったから、

 愚痴をこぼしながら・・・」

「「竜宮城へ行ってみるざんす」とか

 言ってたニャー。」

「ブヒ、

 竜宮城へ向かったブヒか。」

「こりゃーまぁー手がかりになる情報でっすゎ、

 ネコはんおおきに。」

「ブヒ、

 ネコさんありがとうブヒ。」

「ニャー、

 店の商品も今度来た時に買ってニャー。」

・・・

というわけで、

プグ助達は旅の調合人の足どりを追って、

竜宮城近くまでやって来た。

「不思議な話でんな~、

 調合人はんの足どりを追って

 竜宮城へ戻って来るなんて。」

「ブヒ、

 調合人さんは竜宮城へ来てたブヒか?」

「分かりまへん、

 浦島はんに聞けば

 何か知ってるかも知れまへん。」

「ワイも営業まわりの報告で

 戻らんといかんかったから・・・」

「プグ助はん、

 久しぶりに竜宮城へ行ってみましょか。」

「ブヒ、

 みんな元気にしてるブヒか?」

「そりゃーもう、

 竜宮城はねーさん供々

 元気にしてまっせー。」

「ここから竜宮城へ行くなら

 亀吉を呼びましょか。」

と、

プグ助と乙ヘビが話をしていると・・・

「プグ助さん、

 お久しぶりですね。」

サック、

サック、

サック、

と、砂浜に音が鳴って

スラリとした美女の足が歩いて来た。

「ブヒ、

 その声は・・・」

プグ助が歩いて来た美女の足から

目線を上に向けると・・・

シャコ貝に美女の足を生やして歩いて来た

ウォーキングフォームの乙姫の姿だった。

「プグ助さん、

 あの時に竜宮城を救ってくださった恩は、

 今でも感謝は尽くせません。

 竜宮城を代表して、

 心からお礼を申しあげます。」

「ブヒ、

 気にしなくてもいいブヒよ。」

「ねーさん、

 いけませんて、

 そんなあられもない姿で海辺歩いてたら、

 見たモンが腰を抜かしまっせ~。」

「水のメユの管理者としての

 見回りですから、

 心配しなくても良いですよ。」

「竜宮城のCEO役は

 姫っ子に任せておきましたから。」

「こうして自らの目で自然を確める事も、

 管理者としての役割りですわ。」

そうこうしていると、

「乙姫、

 姫っ子では竜宮城の運営データを

 処理しきれずパンク寸前じゃ、

 すぐにお戻り下さい。」

「あっ、

 プグ助さんお久しぶりカメー。」

見回り散歩中の乙姫を呼び戻す為、

浦島老と亀吉がやって来た。

「いやですわ、

 わたくしはもう少し自然の現状を

 見回りますわ。」

「ブヒ、

 元気な竜宮城になってて安心したブヒ。」

「ねーさんが元気すぎて、

 ワイも困ったもんですわ~。」

「ところでプグ助さん、

 竜宮城へいらしたなら、

 ぜひお立ち寄り下さい。」

「ブヒ、

 そうしたいのはやまやまブヒけど、

 かくかくしかじかブヒ。」

「なるほど、

 旅の調合人という方を

 探しているのですね。」

「浦島老、

 何か心当たりはありませんか?」

「そう言えば、

 プグの字が来る前に

 旅の御仁と遭遇した事があったのぅ。」

「その旅の御仁は、

 特別内服液の材料を求めて

 ここに来たと言っておった。」

「ブヒ、

 多分その人が調合人さんブヒ。」

「その旅の御仁は、

 「満月岩の百年コンブ」という材料を

 探しておった。」

「ブヒ、

 どこかに生える百年コンブを探す調合人さんを

 探していたブヒけど・・・」

「満月岩ブヒか、

 満月岩の巨大ガメさんなら

 何か知っているかもしれないブヒ。」

「カメ?

 満月岩はともかく巨大ガメとは何者カメ?」

「ブヒ、

 かくかくしかじかブヒ。」

「何と、

 そういう事カメか、

 私の兄弟子が月見をするのが趣味と

 言っていたので、おそらく

 私の兄弟子の「カメ兄さん」だカメー。」

「ブヒ、

 そうだったブヒか、

 存在の縁(えにし)を感じるブヒ。」

「カメ兄さんは、

 この「貝の笛」を吹くと、

 私の面倒を見に来てくれたカメー。」

「カメ兄さんに聞きたい事があるなら、

 このカメの笛を吹くと良いカメー。」

プグ助は亀吉から、

貝の笛を譲り受けた。

(パンパカパンパーン)

「プグ助さん、

 カメ兄さんに会ったら、

 亀吉がよろしくと言っていたと

 お伝えくださいカメー。」

「ブヒ、

 伝えておくブヒ。」

「プグ助さんが竜宮城へ来たのは、

 大いなる自然の意思

 なのかも知れませんね。」

乙姫は何か納得した様子だった。

そして・・・

「浦島老、

 わたくしは見回り散歩を切り上げて

 竜宮城へ戻ります。」

「そう言ってもらえると安心じゃ、

 妹とは言え姫っ子では

 竜宮城の膨大なデータ処理は

 荷が重すぎて

 パンクしてしまいかねん。」

「ワイの営業まわりの

 報告もせんといけまへんから、

 ねーさんには竜宮城にいてもらわんと

 かないまへんで~。」

という事で、

乙姫達は竜宮城へ戻る事となった。

「プグ助はん、

 大地の交流点の事はプグ助はんに

 お任せしときまっすゎ~。」

「ブヒ、

 ぼくちゃんに任せておくブヒ。」

「プグの字よ、元気でのぅ。」

「カメ兄さんによろしくとお伝え下さいカメー。」

「それではプグ助さん、

 旅路に幸あらん事を。」

「ブヒ、

 みんなお元気でブヒ。」

こうして、

乙姫達は竜宮城へ帰っていった。

・・・

竜宮城を後にしたプグ助は、

すっかり道順を忘れていたものの、

回路しゃんのナビゲーションにより

満月岩周辺に到着した。

「プグ助さん、

 この辺が満月岩周辺です。」

「ブヒ、

 さっそく貝の笛を吹いてみるブヒ。」

プグ助は満月岩ガメを呼ぶ為に、

貝の笛を吹いた。

ヒュルルル~~~ボヨヨ~ン~ブェ~ブェ~・・・

何とも表現しがたい音色が響いたが、

しばらくすると・・・

「おいどんを呼ぶ笛の音が

 聞こえてきたですたいガメ~。」

と、

プグ助のいる海辺にザパーンと波を立て、

巨大ガメがやって来た。

「ブヒ、

 巨大ガメさんお久しぶりブヒ。」

「おぉ~、

 おまさんはプグ助ではないかですたいガメ~。」

「あの後は、

 満月岩はみんなで

 仲良くしているですたいガメ~。」

「ブヒ、

 それは何よりブヒ。」

「あっ、

 巨大ガメさんに亀吉さんが、

 カメ兄さんによろしくって言ってたブヒ。」

「おぉ~、

 亀吉も元気にしてるなら

 何よりですたいガメ~。」

「ブヒ、

 ここに来たのは、

 巨大ガメさんに聞きたい事があるからブヒ。」

「おぉ~、

 まずは話を聞かせてみるですたいガメ~。」

プグ助は巨大ガメに、

これまでのいきさつを話した。

「なるほど~、

 旅の調合人が満月岩の百年コンブを

 探しに来たかどうかについて

 答えると、その様な人間は

 おいどんの元へは来ていない

 ですたいガメ~。」

「ブヒ、そうなの?」

「満月岩の百年コンブなら、

 おいどんの甲羅に生えている

 濃ゆい色のコンブが、

 プグ助の言う百年コンブですたいガメ~。」

プグ助は巨大ガメの甲羅に生える

満月岩の百年コンブを見つけた。

「プグ助さん、

 この満月岩の百年コンブを

 少し分けてもらっておきましょう。」

「ブヒ、

 巨大ガメさん、

 この満月岩の百年コンブを

 少し分けてほしいブヒ。」

「おぉ~、

 おいしい出汁が出るから

 持って行って食べてみるといい

 ですたいガメ~、

 入れ物も海で拾った空きビンがあるから

 使うといいですたいガメ~。」

というわけで、

巨大ガメから空きビンを受け取り、

プグ助は満月岩の百年コンブを

ビンに入る分量で分けてもらった。

(パンパカパンパーン)

「あぁ~、

 それと、

 人間達がよそ者ともめてて

 特別内服液がどうのこうのって

 言ってたですたいガメ~。」

「ブヒ、

 多分その人が調合人さんだブヒ。」

「巨大ガメさん、

 ありがとうブヒ、

 行ってみるブヒ。」

・・・

「困ったざんす、

 サザエやアワビを狙う密漁者と

 思われてしまったざんす。」

と、

海辺の組合事務所に連れてこられた旅人は、

部屋の中で事務員の出してくれた

お茶を飲んでいた。

しかし、しばらくすると、

部屋の外で話し声が聞こえてきた。

「・・・という訳ブヒ。」

「・・・という事じゃ。」

「まぁ、

 じっちゃんの知り合いなら・・・」

そして、

旅人の居る部屋に

ノックの音がした後に誰かが入ってきた。

「ブヒ、

 初めましてブヒ、

 ぼくちゃんはプグ助と申しますブヒ。」

「ご丁寧ざんすね。

 ミーはフラスコンティーニと申す

 しがない旅人ざんす。」

「ブヒ・・・

 フラス・・・

 え~っと、「フラスさん」ブヒか?」

「それでいいざんすけど

 ムッシュープグ助、

 ミーはいつここから出られるざんすか?」

「ブヒ、

 まずはこれを見てほしいブヒ。」

プグ助はフラスさんに、

何かが入っているビンを見せた。

すると・・・

「おぉ、これは

 満月岩の百年コンブに間違い無いざんす。」

「でもなぜユーがこれをミーに

 見せるざんすか?」

「ブヒ、

 実はかくかくしかじかブヒ。」

プグ助はフラスさんに、

これまでのいきさつを説明した。

「そうざんすか、

 特別内服液が必要なのざんすね。」

「ミーをここから出してくれたなら、

 協力するざんすよ。」

「ブヒ、

 じっちゃんさんに頼んでくるブヒ。」

と、

いろいろありつつも、

プグ助はじっちゃんの協力により、

旅の調合人フラスと合流する事が出来た。

「ブヒ、

 これで特別内服液が出来るブヒね。」

「プグ助、

 満月岩の百年コンブは

 手に入ったざんすけど・・・」

「今のままでは特別内服液を

 ミーは完成させる事は出来ないざんすよ。」

「この満月岩の百年コンブの繊維を潰さず、

 細胞核を切る事によりにじみ出る・・・」

「「百年エキス」を抽出しなければ

 出来ないざんす。」

「ブヒ、そうなの?」

「この抽出には、

 正確かつ繊細な技を持つ職人に

 切ってもらわないと

 百年エキスが入手出来ないざんす。」

「しかし、

 ミーが調べた情報によると・・・」

「この周辺にこれが出来る

 スゴ腕職人が住んでいるらしいざんす。」

「ブヒ、

 さっそく行ってみるブヒ。」

「そうざんすね、

 スゴ腕の名職人

 「メシルコ」の元へ急ぐざんす。」

「・・・ブヒ、

 その職人さんの名前を、

 もう一度言ってみてほしいブヒ・・・」

「もう一度言うざんす、

 スゴ腕の「包丁職人メシルコ」という

 人物ざんす。」

「ブヒ・・・

 ぼくちゃんのねぇたんの事ブヒ・・・」

プグ助は、

とたんにグズり始めた。

「他の職人さんはいないブヒか・・・」

「ミーが調べた情報によると、

 メシルコという職人は

 「切る」という事に関して・・・」

「とても良い腕を持った職人らしいざんす。」

「ブヒ・・・

 そうブヒね・・・

 身をもって知ってるブヒ・・・」

「フラスさん、

 実は・・・

 これこれこういう訳ブヒ・・・」

もうプグ助は、

メシルコに会いに行きたくない一心で、

フラスさんに泣きを入れた。

しかしフラスさんは、

「なるほど、

 プグ助の気持ちは分かるざんす。」

「しかし、

 今回の目的と

 これまでの関係性の改善の為・・・」

「メシルコやパパちちと会った方が良いと、

 ミーは思うざんすよ。」

「・・・ブヒ・・・

 そうなの・・・?」

プグ助は、

人生最大の危機感を覚えつつも、

「ブヒ・・・

 わかったブヒ・・・

 システムセンターへ行くブヒ・・・」

という事になった。

・・・

こうして、

プグ助とフラスさんは

システムセンターの見える場所へやって来た。

「ブヒ、

 パパちちとねぇたんとは言え、

 訳を話せば分かってくれるはずブヒ・・・」

「さぁプグ助、

 目的の為に行くざんすよ。」

「ブヒ・・・

 そうブヒね・・・」

プグ助達は、

意を決して歩き始めた。

だが、

次の瞬間、

ウィーオン、

ウィーオン、

ウィーオン、

ウィーオン、

ウィーオン、

ウィーオン・・・

システムセンターの敷地に入った途端、

アラートが鳴り響いた。

「ブヒ~ッ、

 あっという間に気付かれたブヒ~・・・」

プグ助達は、

やって来たガードロイドに囲まれた後・・・

即座に、どこかへ運ばれていった。

・・・

運ばれた場所でプグ助達は、

システムセンターを警備している

ガードロイド達に、監視されていた。

すると、

ガードロイド達が道をあけて、

誰かがやって来た。

「よくここへおめおめと戻って来れたわね、

 このイノブタ貪欲畜生脱獄ブタ。」

と、

バイザーを顔に装着したメシルコが、

腰に帯刀した姿で歩いて来た。

「ブヒ・・・

 キラーマシーンの目ブヒ、

 この世の終わりブヒ・・・」

「本来ならパパちちの判断を待たず、

 この場で「殴る蹴るの暴行を喰らわす」を

 行なった後で、ミンチになる位に

 切り刻む所だけど・・・」

「厳正なる審査たる、

 パパちちの判断を待つ事にするわ。」

すると、

プグ助達の居る部屋の床が開いた後・・・

メシルコとプグ助達の前に

パパちちがやって来た。

「おぅプグ助、

 良ぅ戻って来たのぅワレ。」

「この世の食べ納めのパパちち汁を

 ぐいっと飲んどけや、ワレ。」

「ブヒ~ッ、

 いつも通りの苦い汁ブヒ~・・・」

「プグ助の怠慢、

 世の中の為にならずだからよぅワレ、

 製造責任者としては

 捨て置けねぇぞワレ。」

「これにより

 プグ助は本日をもって解体・・・」

「ちょっと待つざんすよ。」

と、

旅の調合人フラスさんが間に入った。

「おぅ弁護人か、

 話を聞くぞワレ。」

フラスさんはパパちち達に、

今回の経緯を話した。

「おぅ弁護人、

 このプグ助でも世の中の為に

 働けると言うのかワレ。」

「ウィーざんす、

 プグ助は世の中の為になろうと

 ここへ戻って来たざんす。」

「ブヒ、

 大地の交流点を元に戻すためブヒ。」

「ほぅ、

 そんな難しい事を

 このプグ助が出来るのかワレ。」

「心配は無用ざんす、

 ミーが作る特別内服液があれば

 実現出来るざんす。」

・・・

審査の末、

プグ助への処遇がパパちちの判断により

言い渡された。

「おぅ、

 今回は猶予により、

 お咎めはお預けだワレ。」

「プグ助が世の中の為に働けると言うなら、

 しばらくは様子を見るぞワレ。」

「ただし、

 世の中の為にならねぇなら、

 メシルコにより切り刻むからのぅワレ。」

「ブヒ~、

 命びろいしたブヒ~・・・」

という決定となった。

そして・・・

「おぅメシルコ、

 世の中の為になる事だ、

 協力してやんなワレ。」

「仕方無いわね、

 パパちちの判断に従うわ。」

と、

メシルコはバイザー装着を解除した。

「ブヒ、

 キラーマシーンの目が去っていったブヒ。」

・・・

「この満月岩の百年コンブの細胞核を

 寸分違わず両断すると、

 百年エキスを抽出する事が出来るざんす。」

「分かりました、

 その満月岩の百年コンブを、

 このまな板の上に載せて下さい。」

という事で、

メシルコは目の前のまな板の上にある

満月岩の百年コンブを、

自らの包丁を準備した後に見つめていた。

そして意識を集中させた。

「ブヒ、

 ねぇたんの目が、

 キラーマシーンとは違うすごい目に

 なってるブヒ。」

「それでは始めます。」

と、

メシルコは呟いた。

「(百分の一の両断)」

スパパパパパパパパパパパパパパパッ・・・

「出来ました。

 確認してみて下さい。」

メシルコが自らの包丁で刻んだ

満月岩の百年コンブを、

フラスさんが改めてみた。

「お見事ざんす、

 細胞核が両断されてて、

 百年エキスが抽出出来る状態ざんす。」

フラスさんはメシルコに

刻んだ満月岩の百年コンブを

ビンに入れてもらい、

百年エキスの素を手にした。

「これがあれば、

 特別内服液を作る事が出来るざんす。」

「ブヒ、

 パパちちとねぇたん、

 ぼくちゃんは大地の交流点に

 このエキスを持って行く旅

 を続けたいブヒ。」

と、

プグ助はパパちちとメシルコに言った。

「うむ~、

 どうするかのぅワレ。」

と、

パパちちが唸っていると

メシルコが、

「パパちち、

 アタシは今回の件、

 プグ助側に付くわ。」

「ブヒ、そうなの?」

「おぅメシルコ、

 プグ助をフォローするなんて

 珍しいのぅワレ。」

するとメシルコは、

「大した理由ではないけど、

 プグ助の目に迷いがなかったから

 こう思っただけよ。」

「最終的な判断はパパちちに任せるわ。」

この二人(?)の意見に

パパちちは・・・

「おぅプグ助、

 世の中の為に働いてこいよワレ。」

プグ助はパパちちから、

正式な許可を得る事が出来た。

「プグ助、

 しっかりと働いてきなさい。」

メシルコもプグ助を後押しした。

「ブヒ、

 システムセンターの名に恥じない働きを

 してくるブヒ。」

こうしてプグ助は、

システムセンターの正式派遣として、

これまでの旅で疲労していた

ボディーパーツをメンテナンスした後、

出発する事になった。

「ブヒ、

 パパちち、

 ボディーパーツのリフレッシュ

 ありがとうブヒ。」

「おぅプグ助、

 しっかり働いてこいよワレ。」

「プグ助、

 これ持っていきなさい。」

と、

プグ助はメシルコから

タマゴボールクッキーを手渡された。

「ブヒ、

 行ってくるブヒ。」

というわけで、

プグ助とフラスさんは、

大地の交流点へ出発した。

・・・

「ブヒ、

 ねぇたんからもらった

 タマゴボールクッキーおいしいブヒ。」

と、

プグ助は大地の交流点へ向かう途中、

メシルコから渡された

タマゴボールクッキーを頬張っていた。

すると回路しゃんが、

「プグ助さんは、

 余韻や思い出を取っておくとかは、

 あまり気にしないのですね。」

この回路しゃんの言葉にプグ助は、

「ブヒ、

 食べ物は食べれる時に

 食べるにかぎるブヒ。」

という感じの、

いつものプグ助だった。

そうこうしているうちに

プグ助達は、大地の交流点に到着した。

・・・

「ミーはロバの居る宿で、

 特別内服液の調合を始めるざんす。

 出来上がるまでは時間がかかるざんすから、

 しばらく待つざんす。」

「ブヒ、

 特別内服液が出来るまで

 出かけてくるブヒ。」

と、

フラスさんに任せたプグ助は、

フクロウのおばちゃんに

知らせに行く事にした。

そして、

森林までやって来たプグ助だったが、

前方の道から

何かが飛んで来た。

「あっブタちゃん、

 ちょうど良い所へ・・・」

飛んで来たのは、

何やら急いでいる感じの

フクロウのおばちゃんだった。

「ブヒ、

 フクロウのおばちゃん

 何かあったブヒか?」

「源さんが大変なのよー、

 二日酔いで何だか変な事

 言い始めているのよー。」

「ブヒ、そうなの?」

「そうなのよー、

 ブタちゃんちょっと源さんのそばに

 ついていてあげて、

 おばちゃんは街の動物達に

 知らせてくるから。」

「ブヒ。」

フクロウのおばちゃんは街へ行き、

プグ助は源さんの元へ

急ぎ足で向かった。

・・・

「ブヒッ、

 源さん大丈夫ブヒか?」

「ぐおぉぉぉ・・・

 その声はプグ助とやらか・・・」

「どうしたブヒか?」

「何て事はない・・・が・・・

 二日酔い・・・で・・・

 胃もたれ・・・が・・・」

「源さん、

 大丈夫ブヒか?」

「・・・

 ホッホッホッ・・・」

「ブヒッ・・・?」

「ついに土のメユを

 この手に出来たわ。」

プグ助が見守る中、

源さんは不思議な事を言い始めた。

「我が名は「無の魔女」、

 源さんなるこの土のメユの管理者を

 掌握した者。」

「ブヒ、

 源さん何を言っているブヒか?」

プグ助が戸惑う中、

源さんは、

無の魔女という謎の存在に

乗り移られていた。

「そのブタ姿、

 風のコアに取り憑いた時に

 見ていたわ。」

「ブヒ、

 風のコアって

 無人島にいた時ブヒか?」

「あの時は、

 風のコアから風のメユの管理者により

 引き剥がされ、

 風のメユを取り損ねたわ・・・

 口惜しい・・・」

「ブヒ、

 風のメユの管理者って、

 風の声助さんの事ブヒね。」

フォワンフォワンフォワン・・・

(風の声助の回想)

『うっひゃ~、

 風のコアをしばらく

 メンテナンスしてなかったから

 カビだらけピュー、

 久しぶりに大掃除しておくピュー。』

フォワンフォワンフォワン・・・

「しかし、

 この土のメユの管理者は、

 われが掌握した。」

と、

無の魔女という存在が、

源さんの体を使って話をしていると、

「ぐぐぐ・・・

 まだじゃ・・・無の魔女とやらよ・・・

 お主の・・・

 好きにはさせん・・・ぞ・・・」

「ブヒ、

 源さんの声ブヒね。」

「プグ助よ・・・

 ここはワシが・・・

 無の魔女を抑える・・・」

「ここへ特別内服液を・・・

 詳しい話は・・・

 フクロウに・・・」

「ブヒ、

 フクロウのおばちゃんに聞いて

 準備してきたブヒ。」

「それなら・・・

 大丈夫だ・・・

 ワシが・・・

 しばらく・・・

 この無の魔女を・・・

 抑え・・・」

「・・・・・・・・・」

「ふぅー、

 ようやく完全に掌握出来たわ、

 土のメユの管理者よ。」

「ブヒ、

 源さん、

 無の魔女というヤツに

 変わってしまったブヒか?」

「源さんを元に戻すブヒ。」

プグ助は、

もっさりとしたファイティングポーズで

構えた。

だが・・・

「オーッホッホッホーッ。」

フヒュュュ~

ブワァァァァァァァァァーーー。

無の魔女は、

源さんの体をハッキングして

鼻息をプグ助に浴びせた。

「ブヒィ~~~ッ・・・」

プグ助は、

洞窟の入口まで

鼻息で吹っ飛び戻されてしまった。

「ブヒ~ッ、

 外まで戻されてしまったブヒ~・・・」

と、

ヘロヘロなプグ助の前に、

「フヒーン、

 プグ助さん、

 フクロウのおばちゃんに話を聞いて

 やって来たロバー。」

と、

宿屋のロバが走ってきた。

そして、

ロバによると、

「フヒーン、

 うちのお客さんが作ってる特別内服液が

 もうすぐ出来上がりそうロバ。」

「ブヒ、そうなの?」

と、

プグ助とロバが話していると、

「ワン、

 フクロウのおばちゃんに聞いて

 やって来たワン。」

「ニャー、

 後から街の動物達もやって来るニャー。」

洞窟の前に街の動物達が次々とやって来た。

「フヒーン、

 動物のみんな、

 源さんを頼むロバー。」

「プグ助さん、

 おいらに乗って宿でお客さんから

 特別内服液を受け取るロバー。」

「ブヒ、

 ロバさんありがとうブヒ。」

プグ助はロバの背に乗り、

フラスさんが作っている

特別内服液を受け取る為に、

街へ向かっていった。

すると、

街の方から・・・

「ブタちゃん、

 おばちゃん達が源さんを見ておくから

 大丈夫よ。」

と、

フクロウのおばちゃんと街の動物達が、

源さんの洞窟へ向かっていった。

・・・

「ブヒ、

 大変な事になったブヒ。」

プグ助はロバの背に乗って、

街へと向かっていた。

すると、

回路しゃんがプグ助にこう伝えた。

「プグ助さん、

 ついに「無の存在」が

 出現してしまった様ですね。」

「ブヒ、

 回路しゃんは無の魔女を

 知っているブヒか?」

「はい、

 私が7つのメユの源泉を調べていたのは、

 メユの減少による

 無の存在の出現を抑制する手がかりを

 探す為の調査でもあったのです。」

「ブヒ、そうなの?」

「しかし、

 まさかこんなに早く

 無の存在が出現するとは

 思いも寄りませんでした。」

「ブヒ、

 源さんは大丈夫ブヒか?」

「土のメユの管理者の源さんは、

 無の存在に封じられています。」

「源さんの力が戻れば、

 元に戻るはずです。」

「まずは街にある特別内服液を

 受け取りに行きましょう。」

「ブヒ、

 そうブヒね。」

・・・

「フヒーン、

 着いたロバ~、

 おいらはここで待っているから

 プグ助さんは宿のお客さんから

 特別内服液を受け取ってくるロバー。」

「ブヒ、

 すぐに持ってくるブヒ。」

プグ助は、

宿屋の階段を駆け上がり、

フラスさんの部屋へ着いた。

そして、

フラスさんの部屋のドアをノックした。

「はい、

 開いてるざんすよ、どうぞ。」

「ブヒ~ッ、

 フラスさん・・・

 特別内服液は・・・

 ブヒフ~ッ・・・」

「プグ助、

 ちょうど今出来上がったざんすよ。」

「ブヒッ、

 グッドタイミングブヒ。」

プグ助はフラスさんから

特別内服液をひとビン受け取り、

「フラスさん、

 ありがとうブヒ~。」

と、

足早に部屋を出ていった。

「プグ助のあの様子だと、

 よっぽど急いでいるざんすね・・・」

・・・

「ブヒ~ッ、

 ロバさん・・・

 受け取ってきたブヒ~・・・」

プグ助とロバはホッとした後、

急いで源さんの洞窟へ向かった。

「フヒーン、とばすロバ~。」

ロバはプグ助を乗せて、

源さんの洞窟へと走った。

ロバの背に乗っているプグ助は、

「回路しゃん、

 源さんに取りついた無の魔女って

 どんな存在ブヒか?」

「「無」とは、

 7つのメユの源泉にやって来る存在です。

 無という存在は、

 7つのメユの減少の原因に

 関係している存在と言えます。」

「ブヒ、

 源さんが元に戻れるのか心配ブヒ。」

「特別内服液を飲めば、

 きっと元に戻りますよ。」

「ブヒ、

 そうブヒね・・・」

・・・

プグ助達は、

源さんの洞窟の前に到着した。

「フヒーン、

 到着ロバ~。」

「ロバさん、

 ありがとうブヒ。」

すると、

フクロウのおばちゃんがプグ助の方に

飛んで来た。

「ブタちゃん、

 それで特別内服液の方は?」

「ブヒ、

 しっかりと受け取って持ってきたブヒッ。」

「良かったわ、

 これで後は源さんに

 特別内服液を飲ませれば、

 きっと源さんは元に戻るはずよ。

 ブタちゃんもうひと踏んばりよ。」

「ブヒ。」

と、

プグ助達が話していると・・・

フヒュ~~~ッ・・・

洞窟の奥から

源さんの鼻息の風が吹き出した後、

中へ入っていた動物達が

外へ飛ばされて出てきた。

「源さんの鼻息の風で、

 動物達も源さんに近づけないのよ。」

「鼻息がおさまれば、

 源さんの近くまで

 飛んで行く事が出来るんだけど・・・」

この、

フクロウのおばちゃんの話を聞いたプグ助は、

何かを決心した。

「ブヒ、

 それなら・・・

 フクロウのおばちゃん、

 これをお任せするブヒ。」

プグ助はフクロウのおばちゃんに

特別内服液のビンを手渡した後、

洞窟の中へ向かって走りだした。

「ブヒ、

 ぼくちゃんがおとりになって

 引きつけるブヒから、

 フクロウのおばちゃんは、

 源さんに特別内服液を飲ませるブヒ。」

「あっ、

 ブタちゃん・・・」

・・・

洞窟に入ったプグ助は、

源さんをハッキングしている

土のメユを掌握した存在・・・

無の魔女の目の前までやって来た。

「ホッホッホッ、

 ブタ姿のプグ助とやら、

 懲りもせずまたやって来たの?」

「あと少しで、

 この土のメユの管理者の存在を

 全て消化した後に取り込めるわ。」

この無の魔女の言葉を聞いたプグ助は、

「そうはさせないブヒ、

 このぼくちゃんが

 お前の思い通りにはさせないブヒ。」

「(ぼくちゃんが無の魔女を引きつけて、

  フクロウのおばちゃんが源さんに

  特別内服液を運ぶ時間を

  かせぐブヒ。)」

プグ助は、

無の魔女に向かって、

もっさりとしたファイティングポーズ

を取った。

「ブヒッ!」

「ホッホッホッ、

 そんな滑稽なブタ姿で

 われは止められぬ。

 これを受けるがよい。」

フヒュ~~~ッと、

鼻息の風がプグ助に向かって吹いてきた。

「ブヒ~~~ッ・・・」

プグ助は洞窟の壁面まで吹っ飛ばされた。

そして更に無の魔女は、

鼻息でプグ助を洞窟の外へ吹き飛ばそうと、

大きく息を吸い込み始めた。

「ブヒッ(鼻息を吹く前に

     大きく吸い込んでいるブヒ)。」

そんな中、

プグ助をフォローする為に、

動物達が洞窟の中へやって来た。

しかし、

無の魔女は鼻息で動物達を吹き飛ばした。

フヒュ~~~ッ・・・

「ワォ~ン・・・」

「ニャ~ッ・・・」

「フヒ~ン・・・」

「カァ~ッ・・・」

「コケェ~・・・」

動物達はプグ助と同じ様に

壁面まで飛ばされた。

「ホッホッホッ、

 あと少しで消化は完了するわ。」

こう言った無の魔女は、

再び息を吸い込んで、

次の鼻息の充填を始めた。

しかし、

これを見ていたプグ助は・・・

「ブヒ、

 大きい鼻の穴ブヒ。

 ぼくちゃんの体の大きさ位あるブヒ。」

この時、プグ助は

満月岩ナイススポット杯(?)の後で、

月見をしながら話をしていた

風の声助の言葉を思い出していた。

フォワンフォワンフォワン・・・

(風の声助との会話の回想)

『おぅプグ助、

 この地の自然で暮らす存在ってのは、

 風や空気の流れの力を助力として

 受け取っているピュー。』

『この地の存在、

 この地で生きる動植物、

 オレやお前でもだピュー。』

『そして、

 この先の旅で何か困った事があった時は、

 風や空気の流れを見直してみると

 問題解決の糸口が見つかるかも知れないから、

 覚えておくと良いピュー。』

『ブヒ、そうなの?』

フォワンフォワンフォワン・・・

「ブヒッ、

 いい事思いついたブヒ、

 リトライブヒ!」

・・・

「ホッホッホッ、

 洞窟の外まで吹き飛ばしてあげるわ。」

「そうはさせないブヒ、

 再び見参ブヒ!」

プグ助は、

もっさりとしたファイティングポーズを

再びとった。

だが・・・

フヒュ~~~ッ・・・

と、

無の魔女の鼻息で、

プグ助はやっぱり吹っ飛ばされた。

「ブヒ・・・

 (ここまでは良しブヒ)。」

これを見た動物達は、

プグ助をフォローする為に

無の魔女へ近づいていった。

「ホッホッホッ、

 何度やっても同じ事よ、

 吹き飛ばしてあげるわ。」

と、

無の魔女は次の鼻息を吸い込み始めた。

「ブヒッ、

 ここがチャンスブヒ!」

この無の魔女の吸い込むタイミングに合わせて、

プグ助は空気を吸い込もうとしている

鼻の穴に突っ込んでいった。

スポッ・・・

「ンガ・・・

 鼻の穴に何か入って

 息がうまく吸えないわ・・・」

「ブヒ、

 鼻の穴を片っぽ塞げたブヒ!」

大きな鼻の穴の片側から顔を出しているプグ助は、

「ブヒ、

 動物のみんな、

 今がチャンスブヒ!」

と、

動物達に合図を送った。

このプグ助の合図で、

動物達は無の魔女を攪乱した。

「ンガ・・・

 おのれこしゃくな動物共め・・・

 ンガ・・・

 思う様に息が吸えないわ・・・」

鼻が詰まって思う様に息が吸えない無の魔女は、

鼻呼吸から口呼吸に切り替えた。

そしてこの切り替えで

無の魔女の口が開いた瞬間・・・

「ブタちゃんやみんな、

 良くやったわ、

 さぁ特別内服液よ源さん!」

フクロウのおばちゃんは

若い頃を思い出したかの様な、

目にも止まらぬ速い急降下飛行により、

源さんの口に

特別内服液のビンを放り込んだ。

ゴックンッ・・・と、

源さんは特別内服液のビンを力強く飲み込んだ。

「ンガ・・・

 しまったわ・・・

 これでは土のメユの管理者が

 目覚め・・・」

無の魔女が、

何かを言おうとしていた次の瞬間・・・

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ~~~ッ・・・

大地の交流点が地鳴りと揺れで脈動を始めた。

そして・・・

「フンガ~~~ッ!

 二日酔いの胃もたれが~

 さっぱ~りしたわい!」

と、

源さんが正気に戻った。

「スウ~~~ッ、

 ハア~~~ッ、

 深呼吸すると心地よいわぃ。」

源さんは自らの体の中から、

黒い霧の異物を深呼吸で吐き出した。

「キィ~ッ、

 ブタ姿のプグ助よ、

 次を楽しみにしておきなさい。」

ホッホッホッと高笑いを響かせた後、

無の魔女は大地の交流点から

飛び去っていった。

・・・

ここは、

大地の交流点と呼ばれている山の麓にある街。

ロバが店先で飼育されている宿屋の

部屋の中で話し声が聞こえる。

「これまでの材料仕入れ分なら、

 しばらくはこの街で

 調合に没頭出来るざんす。」

「プグ助、これは今日の分の

 特別内服液ざんすよ。」

「ブヒ、

 フラスさんありがとうブヒ、

 源さんに届けてくるブヒ。」

プグ助は宿屋の階段を下りて、

宿屋の外へ出た。

「ブヒ、

 源さんとこへ行ってくるブヒ。」

「フヒーン、

 プグ助さん、

 いってらっしゃいロバ。」

源さんの体の調子が戻り、

大地の交流点で土のメユの供給が

再び始まった事により・・・

麓の街は活気に溢れ、

人々で賑わっていた。

そしてプグ助は、

街から森林の方へやって来た。

すると・・・

「あらブタちゃんおはよう、

 源さんに特別内服液を届けたら

 帰りにここへ寄ってね。」

「おばちゃんお菓子用意してあるから、

 食べていくといいわ。」

「ブヒ、

 後でまた寄らせてもらうブヒ。」

そしてプグ助は、

源さんの洞窟へやって来た。

「ブヒ、

 源さん、

 特別内服液を持ってきたブ・・・」

と、その時、

プグ助は何かに吸い込まれて

どこかへ飛んでいった。

「おぉ~、

 プグ助よ~、

 待ちかねたぞ~、

 早速いただくぞ~。」

源さんの口に

特別内服液のビンごと吸い込まれたプグ助は、

源さんの口から出てきた。

「ブヒ・・・

 よだれでベチョベチョブヒ・・・」

「がっはっはぁ~、

 気にするなプグ助~、

 今日も特別内服液ありがとうな~。」

「それじゃあ、

 今日も土のメユを生産する事にするわぃ。」

源さんは活力が戻って、

すっかり元気になっていた。

「ブヒ、

 何よりブヒ。」

こうして、

土のメユの源泉からの

土のメユの生産は元に戻り、

大地の交流点は、

世の中への土のメユを供給する場所として、

元の活気ある自然へと戻った。

「プグ助さん、

 これで三つ目のメユの源泉も、

 メユの減少を防げました。」

「ブヒ、

 それじゃあ、

 フクロウのおばちゃんとこで、

 おやつ貰って食べるブヒ。」

プグ助はフクロウのおばちゃんの元へ、

元気良く駆けていった。

 

(大地の交流点編 完)

 

 

 

次回予告

 

プグ助と回路しゃんは、

次の目的地へ向かう事にした。

「プグ助、

 その感じだと

 旅に出るつもりざんすね。」

「ミーも旅をするので分かるざんす、

 良い旅になる事を祈っておくざんすよ。」

そしてプグ助達は、

次の場所へやって来た。

「パラ、

 プグ助さんとやら、

 ここはひとまずオイラの家へ

 避難しておくパラ。」

「ブヒ、

 お世話になるブヒ。」

そしてさらに、

「おぅよ、

 その辺は任せるグラ、

 井戸のフィルター地層の目詰りが直ったら・・・」

「オレに知らせに来るグラ、

 水源ルートと火山の冷却ルートを

 繋げるグラから。」

「ブヒ、

 わかったブヒ。」

・・・

プグ助と回路しゃんの旅路に

待ちうけているものとは?

プグ助の、いろんな味を食べてまわるブヒー旅

次回にどうぞご期待下さい。 

 

(つづく)

 

 

(ブラウザーの戻るボタンで

 戻って下さい。)