プグ助の、いろんな味を食べてまわるブヒー旅(6)

 

 

あらすじ

 

食いしん坊のプグ助は

回路しゃんと共に旅を続けていた。

竜宮城、風の無人島、大地の交流点と、

それぞれの地を体験してきたプグ助達は

次のエリアの火山島へとやって来た。

だが、

火山島は火山活動により

井戸の水が減少していた。

そこでプグ助達は、

火山島で出会った

ピパラやグラッチさん達の協力により、

火山島の井戸を元に戻した。

しかし、

喜びも束の間、

火山島に無の魔女が現われて、

火のメユの力を奪い去ってしまい、

火山島が冬になってしまった。

今回は、どうなっていくのやら・・・

 

 

 

始めに

 

この創作物はフィクションであり、

実在の人物及び団体とは関係ありません。

しかし、こちらの認識不足により、

以前から活動されている方々の活動内容及び

創作内容と重複してしまう場合も考えられます。

この場合、相互の活動の住み分けの為に、

こちら側での名称変更及び内容の見直しなど、

公の場での発表の後、プラン修正として考えております。

「こちらの創作物の内容について何かございましたら、

 連絡をいただければ、

 再考の後に内容修正いたします。」

この考えをこちらの基本的な活動方針とし、

この創作物の内容にて、

全ての皆さんに、このストーリーを贈ります。

 

 

 

 

 

第六章 (冬の火山島)

 

火の脈動は、

暫しの眠りについた。

だが、

火の脈動は、

この地の自然で再び目覚める事だろう。

しかし、

この地の底に眠る火の脈動の再来まで、

自然は待たねばならない。

このひとときの眠りは、

いつ目覚めを迎えるだろうか・・・

 

プグ助達の前に現われた黒い巨鳥が飛び去った後・・・

火山島は冬の様な気温に変わってしまい、

空から雪も降ってきた。

「パラ~、

 こんな天気は火山島に生まれ育って

 初めての事パラ~。」

「ブヒ、

 雪が降ってきて

 気温も下がってきたブヒ。」

「フィー(何だか水温が下がってきたヤドー)。」

「こりゃ~火山島始まって以来の大事だグラ~。」

火山島の気温は、

どんどん下がり続けた。

そして、

更に・・・

「パラ~、

 温泉の水面が何だかカチカチになっているパラ~。」

と、

火山島の温泉の水面に氷が張り始めた。

「とにかくまずは手分けして

 火山島のみんなを

 火の神さんの洞窟に集めるグラ。 」

「ブヒ。」

「パラー。」

という事で、

プグ助達は火山島の動物達を

火の神さんの洞窟へ集めた。

そして焚き火をたいた後に

スープを皆に配った。

「ブヒ、

 温かいスープで体が温まるブヒ。」

「パラ~、

 でもこれからどうなっていくパラ・・・」

「この火山島の備えでは、

 この低温にどれだけ持つのか分からんグラ。」

洞窟に集まった動物達が

何か出来る事はないかと考えている時、

プグ助の耳に・・・

「ちょっと何なのよー、

 この寒さはー!」

「この火山島のエネルギーは

 何で減少したのよー!」

「これじゃあ自然の温度バランスが

 狂っちゃうじゃない!」

と、

何処かからの声がプグ助に聞こえてきた。

「ブヒ・・・

 この声は誰の声ブヒ?」

プグ助は

何処からか声がすると

ピパラやグラッチさんに聞いてみた。

だが・・・

「パラ?

 声なんて聞こえないパラ。」

「おぅプグ助、

 寒くても気をしっかり持つグラ。」

「ブヒ・・・

 確かに声が

 どこからか聞こえたブヒ・・・」

プグ助は洞窟の壁の方へ向かい、

声の主を探してみた。

すると・・・

「こんなに冷え込んでたら

 卵ちゃんが凍えちゃうじゃない!」

「何やってんのよこの火山島はー

 まったくー!」

と、

やはりプグ助の耳に

声が何処かから聞こえてきた。

「ブヒッ、

 やっぱり声が

 どこからか聞こえるブヒ。」

「あっ、

 イノブタっぽいそこのアンタ、

 ワタシの声が聞ける口ね、

 説明してよね。」

プグ助は周りをキョロキョロ見回したが、

それらしい存在は居なかった。

「ここよ、ここ!

 アンタの目の前よ!」

「ブヒッ、

 目の前って言われても誰もいないブヒ。」

「あぁーもう

 じれったいわね~、

 手のひらを出しなさい。」

「ブヒ。」

プグ助は、

自らの手のひらを目の前に広げてみた。

「ほらっ、

 手のひらの上に乗ってあげたわよ、

 これで見えるでしょ!」

プグ助が自らの手のひらをよ~く見ると、

光の球の様な何かが乗っていた。

そして鈍く光った後、

小さな人間に羽が生えた様な存在が

プグ助を見ていた。

「やっと気付けた様ね、

 さぁ説明しなさいよ!」

「ブヒ、

 説明って何を説明すればよいブヒか?」

「あぁーとろくさいわね~、

 この火山島が何で寒くなったのかを

 聞いてるのよ!」

プグ助は急に現われたこの存在に、

とりあえず説明してみた。

「何ですって~、

 火のメユの力を掌握された上に・・・」

「卵ちゃんもさらわれたですってぇ~~~!」

「何やってんのよこの火山島は~、

 メユの力や卵ちゃんも守れなかったなんて、

 揃いも揃ってマヌケ揃いなの~!」

「ブヒ~、

 説明したあげく怒られて

 何だかヘコむブヒ・・・」

「卵ちゃんを守れなかったんだから

 ヘコんでなさいよー、

 まったくー。」

プグ助は、

いきなり現われた存在に説教をくらって

しょぼんとなったが、

「ところで、

 キミは誰ブヒ?」

「名前を聞きたいなら、

 まず名乗りなさいよー!」

「ブヒ、

 ぼくちゃんはプグ助と申しますブヒ。」

「プグ助っていうのね。

 ワタシはほと子。

 温かい子と書いてほと子よ。」

「ブヒ、

 ほと子さんブヒか。」

「そうよ、

 かの偉大なる温気のメユの源泉たる

 「温気のマスターエレメント」から

 温気の管理を任されている

 管理者なんだからね。」

プグ助はほと子から言われた言葉の内容を

把握出来ずに首をかしげた。

「ブヒ・・・

 温気のメユ?

 マスターエレメント・・・?

 ブヒッ?」

「アンタ、

 おつむいい天気でとろくさそうだから

 掻い摘んで説明してあげるわ。」

「ブヒ。」

「火のメユの力が

 無の魔女という何者かに

 掌握されてしまったから、

 この火山島はこのままでは気温低下で

 全滅してしまうわ。

 だからまずはこの火山島に大急ぎで

 温かい気流を送って気温を回復

 させる必要があるの。」

「ブヒ。」

「そこで、

 風のメユの源泉に協力を要請の後、

 風の力でこの火山島へ温かい気流を送る

 という対策よ。」

「ブヒ、

 風のメユと言えば、

 風の声助さんブヒね。」

「風の声助?

 あの「趣味狂いなトンチキ」を

 アンタは風の声助って呼んでるわけね。」

「ブヒ、

 風の声助さんはトンチキだったブヒか。」

「そうよ、

 あのトンチキときたら、

 風のメユの管理も忘れて

 趣味に没頭してるんだから

 トンチキ以外の何者でもないわ。」

「まぁ今はトンチキの事より、

 まずは風のメユの源泉へ向かうわよ。」

「詳しい話は後で説明するから、

 とにかく来てもらうわよ。」

「ブヒ、

 よく分からないけど行ってみるブヒ。」

という訳で、

プグ助はほと子と洞窟の外へ出てきた。

「この火山島がこんなに冷えるなんて、

 早く何とかしなくちゃね。」

「ブヒ、

 それでほと子さん、

 ここからどうやって

 風の声助さんの無人島まで

 移動するのブヒか?」

「今回は緊急を要するから、

 アタシが運んであげるわ。」

こう言ったほと子は、

心静かに目を閉じて

自然へ向けて祈り始めた。

「温気の流れに存在する

 我がマスターエレメントよ、

 我に気流の翼を使わせたまえ。」

ほと子の祈りの後、

ほと子とプグ助の前に

空気の渦が出現した。

「さぁプグ助、

 乗りなさい。」

「ブヒ、

 すごい能力ブヒね。」

「アタシの力じゃないわ、

 全ては偉大なる我がマスターエレメント

 のお力よ。」

「ブヒ、そうなの?」

という事で、

プグ助はほと子の呼び出した空気の渦に乗り、

風の声助の居る風の源泉の無人島へ

向かって飛んでいった。

・・・

「ピュー、

 今日もいい天気だピュー。

 プグ助は無事に火山島へ着けた様だから、

 今頃は温泉に浸かって

 ブヒブヒ言ってるだろうピューな。」

「さてピュー、

 次のクラフト計画は何を作ろうかピュー。」

風の無人島で次のクラフト計画を考えながら

過ごしていた風の声助の耳に・・・

「トンチキー、

 居るんでしょー、

 出てきなさいよー!」

「ブヒ、

 あっという間に無人島へ到着したブヒ。」

という声が聞こえてきた。

風の声助は、

声がした無人島の場所へ行ってみた。

「何だピュー、

 賑やかな奴がやって来たと思ったら

 ほと子かピューって・・・」

「プグ助も一緒じゃねぇーかピュー、

 どうしたんだピュー?」

「ブヒ、

 かくかくしかじかブヒ。」

「何だってピュー、

 火のメユが奪われて

 火山島が冬になっちまったピューか、

 そりゃーまた凄い事になってるピューな。」

「またこのトンチキは

 のんびりしてるわねー。」

「今から風のメユの源泉のお力に

 協力をお願いしたいから、

 頼むわね。」

「ブヒ、

 風の声助さん、

 急いで火山島へ向かうブヒ。」

「何言ってるのよプグ助、

 トンチキに頼みにきた訳ではないのよ。」

「ブヒ、そうなの?」

「アタシ達は

 風のメユの源泉たる・・・」

「「風のマスターエレメント」に

 協力を要請する為ここへ来たのよ。」

「ブヒ、

 風のマスターエレメントって誰ブヒ?」

「あぁーもう急いでいる時に、

 トンチキといいおつむいい天気といい、

 ニキニキさせるわね~。」

「ピューッ。」

「ブヒッ。」

ほと子は、

ニキニキする自らを

ひと呼吸置いて落ち着かせた。

「7つのメユの源泉が存在する事は

 知っているわね。」

「ブヒ、

 それは知ってるブヒ。」

「この

 7つのメユの源泉という、

 この自然界にメユを

 供給してくれている存在が・・・」

「7つの存在のマスターエレメントなのよ。」

「ブヒ、

 初めて知ったブヒ。」

「そして、

 この7つの存在のマスターエレメントに

 メユの管理を任されているのが・・・」

「アタシやトンチキや卵ちゃんなの。」

「ブヒ、

 それじゃあ乙姫や源さんもブヒか?」

プグ助の言葉を聞いたほと子は、

意外そうな顔をしてプグ助を見た。

「プグ助、

 アンタ乙姫姉さんや源さんを

 知っているの?」

「ブヒ、

 これまでの旅で協力してきたブヒ。」

「へぇー、

 おつむいい天気だと思っていたけど、

 少し感心したわよプグ助。」

「乙姫姉さんは水のメユ、

 源さんは土のメユ。」

「それぞれを、マスターエレメントから

 管理を任されているのよ。」

「ブヒ、

 そうだったブヒか。」

「それなら、火のメユの源泉の

 マスターエレメントさんも、

 無の魔女に奪われてしまったブヒか?」

「火のメユの源泉とマスターエレメントは

 奪われてはいないわ。」

「無の魔女という存在は、

 卵ちゃんの火のメユの管理者としての

 能力を掌握した後、

 火のメユの力を使っているはずよ。」

「ブヒッ、

 メユの源泉とマスターエレメントの違いが

 よく分からないブヒ。」

「メユの源泉は、

 自然界に存在する

 それぞれの要素のみなもと。」

「マスターエレメントは、

 それぞれの源泉の意思が化身した存在、

 っていう感じね。」

プグ助はほと子の説明を聞いて、

少し把握出来た様子だった。

「それじゃあ

 プグ助も理解出来たみたいだから、

 トンチキお願いね。」

「ピュー、

 風のメユの管理者として

 風のマスターエレメントと会うのは

 久し振りピューだから緊張するピュー。」

「ブヒ、

 風のマスターエレメントさんと会うブヒね。」

・・・

という訳で、

プグ助達は

風のマスターエレメントと会う為に、

無人島の地下のコア部分へやって来た。

風の声助に道案内され

地下への階段を降りたプグ助達は

広い空間に出た。

広い空間の中央には、

透明な物質の多角形の大きな結晶体が

置かれていた。

「ブヒ、

 風の結晶感を感じるブヒ。

 この方が

 風のマスターエレメントさんブヒか?」

「少し正解だピュー、

 でもこれは二つの無人島に設置してある

 風を生み出す風のコアだピュー。

 この二つのコアが、

 自然界に風のメユを供給してるピュー。」

「ブヒ、

 すごいテクノロジーブヒね。」

「ピュー、

 風のマスターエレメントは、

 この無人島の更に下に居らさるピュー。」

プグ助達は風のコアの空間から

更に下の階へ降りていった。

プグ助達が階段を降りていくと、

無人島の下側の外にあるフロアに出てきた。

「ブヒ、

 下を見ると海が見えるブヒ。

 でも風の声助さん、

 ここには誰もいないブヒ。」

「プグ助にはそう見えるピュー、

 でも風を感じると見えるピュー。」

「ブヒ、

 無人島の岩の天井の先の

 広々とした空と海と水平線しか

 見えないブヒ。」

プグ助がフロア前方の

空と海と水平線を見ている中、

風の声助は風に語りかけた。

「遍く自然に風と空気を循環する我が主よ、

 我にその姿を現したまえ。」

すると、

プグ助が見ていた

何もなかった空と海と水平線に、

二つの無人島を力強い両腕で支えている

巨大で透明なゴリラが、

プグ助達の前に姿を現した。

「ブヒ~ッ、

 とっても大きなゴリラさんが

 二つの無人島を支えてるブヒ~!」

「そうだピュー、

 このお方が我が主たる

 風のマスターエレメントだピュー。」

「ブヒ、

 二つの無人島が空に浮かんでいる理由が

 分かったブヒ。」

プグ助が口を開けて見入っていると、

語りかける声が響いてきた。

「風のメユの管理者「ウインド」よ、

 今日は如何なる用件か。」

「ピュー、

 お久し振りピュー、

 我が主。」

「ブヒ、

 風の声助さんは

 ウインドっていう名前だったブヒか。」

「ピュー、

 風のマスターエレメントよ、

 今日は頼み事があり参上したピュー。」

「まずは話を聞こう。」

風のメユの管理者ウインドは

風のマスターエレメントに事情を説明した。

すると・・・

「事情は理解した。

 しかし、

 風の力を必要とするなら・・・」

「嘘偽りのない

 自らの体験による願いを提示せよ。」

この、

風のマスターエレメントからの条件提示に、

「ピュー、

 オレでは無理だピュー。」

「アタシでも説明出来ないわ。」

すると風の声助とほと子は、

プグ助の方を向いた。

「ブヒ、

 ぼくちゃんが説明するブヒか?」

という訳で、

風のマスターエレメントに

プグ助が説明する事になった。

「ブヒ、

 風のマスターエレメントさん、

 これこれこういう訳ブヒ。」

「という訳ピュー我が主よ、

 風の力を使わせてあげてほしいピュー。」

「(何かトンチキとプグ助に

  借りを作る様な感じで

  ニキニキするけど・・・)」

「風のマスターエレメントよ、

 この理由によりお力をお借りしたく、

 この温気のメユの管理者のワタシも

 参上いたしました。」

プグ助達の願いを聞いた

風のマスターエレメントは・・・

「嘘偽りのない願いにより、

 風の力の使用を認める。

 後の事は管理者に任せる。」

「ピュー、

 我が主感謝するピュー。」

こうして、

プグ助達は風のマスターエレメントから

許可を得る事が出来た。

・・・

という事で

風のマスターエレメントの力を

借りる事が出来たプグ助達は、

二つの無人島により火山島へ

温かい風を送る事となった。

グゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・

プグ助達を乗せた二つの無人島は、

火山島近海へ向けて移動を始めた。

「ブヒ、

 移動要塞感たっぷりで

 ダイナミックブヒ。」

「ピュー、

 無人島を移動させるなんて、

 滅多にない事ピュー。」

「ほっとしたわ、

 これで火山島は大丈夫なはずよ。」

そして二つの無人島は、

火山島近海へとやって来た。

「ピュー、

 それじゃあ始めるピュー。

 気温が低下している火山島に、

 片方の無人島で温かい風を送るピュー。

 そしてもう片方の無人島で、

 火山島の冷たい空気を

 吸排気の循環で運び出すピュー。

 プロジェクト

 「熱交換アイドリング計画」ピュー。」

「プグ助、

 火山島のみんなに

 知らせに行くわよ。」

こうして二つの無人島の吸排気により、

火山島の気温は

少しずつ回復していった。

「ブヒ、

 これこれこういう感じブヒ。」

「パラー、

 少し暖かくなってきたパラー。」

「グラ、

 まずはひと安心グラ。」

プグ助とほと子と風の声助は、

火山島の気温の回復にほっとした。

「これで火山島の全滅は防げたわね。

 さぁ次は卵ちゃんを救出に行くわよ。」

「ブヒ。」

「関わったピューから、

 オレも協力するピュー。」

と、

話しているプグ助達の方に、

何かが凄いスピードで近付いてきていた。

「ピュー、

 遠くの方から無人島に向かって

 何か飛んでくるピュー。」

「何か黒い鳥の様な存在が、

 ここへ近付いてきてるわね。」

「ブヒッ、

 あれは・・・」

プグ助達の居る無人島へ向かって、

黒い炎を身にまとった巨大な鳥が

凄まじい速さで、

火山島近海へと飛来してきた。

「ギュワァァァァァッ・・・」

火のメユの管理者を取り込んだ黒い巨鳥は

火山島近海へ再び現われた。

そして・・・

「また会ったわね、

 ブタ姿のプグ助とやら。」

「ブヒッ、

 無の魔女ブヒ。

 火の神さんの卵を返すブヒ!」

「ホッホッホッ、

 それは出来ないわ。

 それより、

 われがここに来た目的は・・・」

黒い巨鳥となった無の魔女は、

風の声助を見ていた。

「ピュー、

 このでっかい黒い鳥、

 何かこっちを見てるピュー。」

「風のメユの管理者よ、

 その力、

 われに取り込まれるがよい。」

黒い巨鳥は、

風の声助に向かって急降下してきた。

風の声助はこれをギリギリ避けた。

「ピュー、

 藪から棒に危なっかしい鳥だピューな。」

「あの黒い巨鳥は、

 卵ちゃんの次にトンチキを

 取り込もうとしてるわね。」

「ブヒッ、

 そうはさせないブヒ!」

プグ助は、

もっさりとしたファイティングポーズで構えた。

「ギュワァァァァァッ・・・」

と、

黒い巨鳥は唸り声を発した後、

羽ばたきの風をプグ助へ浴びせた。

「ブヒ~ッ・・・」

プグ助は、

あっという間に吹き飛ばされた。

更に黒い巨鳥は、

風の声助へと襲いかかってきた。

「ピュー、

 そんなお誘いお断りだピュー。」

黒い巨鳥のくちばしを、

風の声助は寸前で避けた。

「ブヒ、

 風の声助さんが狙われているブヒ、

 ほと子さんどうするブヒか?」

「心配しなくていいわよプグ助、

 黒い巨鳥の方から来てくれるなんて

 手間が省けたわ。

 ここで卵ちゃんを救出するわよ。」

「ブヒ、

 どうするブヒか?」

「ひえ子、

 こっちへ来て手伝いなさい。」

「ブヒッ、

 ひえ子さんって誰ブヒ?」

プグ助が何の事か分からない中、

ほと子の呼び掛けにより・・・

誰かが空気の渦に乗って

無人島へとやって来た。

「姉さん、

 私に何かご用ですか?」

「ひえ子、

 あの黒い巨鳥を倒すわよ。

 卵ちゃん救出の為だから手伝いなさい。」

「ブヒ、

 ほと子さん、

 この人どなたブヒ?」

「・・・姉さん、

 この醜いイノブタ貪欲畜生の様な生き物は

 何なのですか?」

「ピュー、

 何ボーッとしてんだほと子、

 こっちは大変だピュー。」

ほと子は

ニキニキする自らの思考をなだめ、

まずはひえ子に説明した。

「ひえ子、

 これこれこういう経緯よ。」

「なるほど・・・

 卵さんがあの黒い巨鳥に

 拉致されているのですね。」

「そして、

 このイノブタ貪欲畜生の様な生き物は

 協力者なのですね。」

「ブヒ、

 ぼくちゃんはプグ助と申しますブヒ。」

「私はひえ子、

 クールな子と書いてひえ子。」

「現状は把握出来たわね。

 あの黒い巨鳥を倒すわよひえ子。」

「・・・姉さんは熱いですね。

 他者の為に何かをしてあげようと

 思えるなんて。」

「私は自然という仕組みは

 自然のままに任せておく方が

 自然らしいと思うのですが・・・」

「自然のままだと発展がゆっくりだからよ。

 のんびりしすぎてニキニキしてくるわ。」

「・・・姉さんはせっかちさんですね。

 しかし他ならぬ姉さんの頼みですから・・・」

「今回は私は「嫌なのですが」、

 「卵さんの為に」お手伝いします。」

こうして、

ほと子の双子の妹のひえ子は、

協力してくれる事となった。

・・・

「ピュー、

 お前らこっちは大変ピューなのに、

 何のんびりとしてるピュー!」

黒い巨鳥は風の声助を取り込もうと、

くちばしでつつき飲み込もうとしていた。

「ブヒッ、

 このままでは風の声助さんが

 黒い巨鳥に飲み込まれてしまうブヒ。」

プグ助が風の声助を心配する中、

ほと子は・・・

「ひえ子、

 「温気と冷気のマスターエレメント」

 のお力を使うわよ。」

「まずはあの黒い巨鳥に捕まっている

 卵ちゃんの生存状態での救出よ。」

「分かりました。

 卵さんの生存を最優先に

 考えるのですね。」

「ブヒ、

 どうやって黒い巨鳥から

 火の神さんの卵を救出するブヒか?」

プグ助が見守る中、

ほと子とひえ子は向かい合い、

両手の掌を合わせて自然に願いを送り始めた。

そして二人は同じ言葉を呟いた。

「「この地を温かく抱く温気の主と、

  この地を厳しく見つめる冷気の主よ・・・」」

「「この温気と冷気への願いにより、

  そのお力をここへ呼び覚ましたまえ。」」

ほと子とひえ子の願いは

温気と冷気の巨大な渦となって、

火山島近海へとやって来た。

そしてこの大きな渦は、

ほと子とひえ子に語りかけた。

「温気と冷気のメユの管理者よ、

 温気と冷気の力を行使する理由を説明せよ。」

巨大な温気と冷気の渦に問い掛けられた

ほと子とひえ子は、

「火のメユの管理者を救う為に。」

「火のメユの管理者を救う為に。」

と、

それぞれが説明を行なった。

すると、

巨大な温気と冷気の渦は二人に言った。

「曇り無きその願いにより、

 温気と冷気の力を今ここに出現させる。」

「火のメユの管理者を救う為への使用を、

 温気と冷気はここに許可する。」

すると

温気と冷気の巨大な渦に、

ほと子とひえ子は吸い込まれる様に

無人島から渦の中に飛び去っていった。

そして

温気と冷気の巨大な渦は、

その姿を変化させていった。

黒い巨鳥は渦の変化に気付き、

風の声助から渦の方へ顔を向けた。

「ギュワァァァァァッ・・・」

そして黒い巨鳥は何かを察知した様子で、

狙いを巨大な渦に変えて

無人島から渦へと向かって空へ飛び始めた。

「ピュー、

 食べられる寸前で命拾いしたピュー。」

黒い巨鳥は、

狙いを温気と冷気の渦へと変え、

渦へと襲いかかった。

「ホッホッホッ、

 風のメユの力を取り込む前に

 温気と冷気のメユの力を取り込む機会が

 訪れるとは好都合だわ。」

凄まじい速度で飛ぶ黒い巨鳥が、

渦を砕く勢いで貫こうとしていた。

ガシィィィィィン・・・

だが、

黒い巨鳥が渦に触れる直前、

渦から巨大な手が出現して、

これを防いだ。

渦と巨大な手は

突進に押されはしたが、

黒い巨鳥を掴み捕獲した。

そして渦の中から

黒い巨鳥を両手で掴んだ存在が、

火山島近海へとその姿を現した。

「ワレハ、

 ウヌカラ

 ヒノメユノカンリシャヲ

 キュウシュツスルモノナリ。」

温気と冷気のマスターエレメントが、

この地に出現した。

「ブヒ~ッ、

 渦から巨大怪獣が出てきたブヒ~!」

「ピュー、

 あれが

 温気と冷気のマスターエレメントだピュー。」

渦から出てきた

温気と冷気のマスターエレメントは、

黒い巨鳥を火山島とは逆方向の海へと

投げ飛ばした。

「ギュワァァァァァッ・・・」

マスターエレメントに投げ飛ばされた

黒い巨鳥は、

水しぶきをあげて海に着水した。

「おのれ~、

 こしゃくなマスターエレメントめ~。」

黒い巨鳥は、

マスターエレメントに対抗する為、

水面から水しぶきをあげて

再び空中へ飛び始めた。

そして上空から

マスターエレメントに向かって、

身に纏った黒い炎の火炎を浴びせた。

「ワレハ、

 コレヲフセグモノナリ。」

マスターエレメントは両手で

黒い火炎を防いだ。

だが

黒い火炎を両手で防いでいる時、

黒い巨鳥の足の爪が、

マスターエレメントの両手を掴んだ。

「ホッホッホッ、

 この黒い火炎により燃え尽きよ。

 そしてわれは

 温気と冷気のメユの力をも

 掌握してくれよう。」

黒い巨鳥の黒い火炎により、

マスターエレメントは黒い火炎に

焼かれている様に見えた。

しかし、

マスターエレメントの目は、

黒い巨鳥の体の内部を見ていた。

そして次の瞬間、

黒い火炎に包まれていた

マスターエレメントの目が光った。

「ワレハ

 イマココニ、

 ヒノメユノカンリシャヲ

 キュウシュツスルモノナリ。」

と、

マスターエレメントは

黒い巨鳥の足の爪を

自らの両手から引き剥がした後・・・

黒い巨鳥の体へ向けて

鋭い貫手を突き刺し、

黒い巨鳥の体内へと手を突き入れた。

「ギュワァァァァァ~ッ・・・」

黒い巨鳥がもがく中、

マスターエレメントは

黒い巨鳥の体内から何かを取り出した。

マスターエレメントが取り出したものは、

火の神さんの卵だった。

「ワレハ

 イマココニ、

 ヒノメユノカンリシャヲ

 キュウシュツシタモノナリ。」

これにより、

火のメユの力を失った黒い巨鳥は、

その存在を維持出来なくなり・・・

黒い霧へと姿を変えていった。

「おのれマスターエレメントめ、

 われの力を引きちぎりよって・・・」

「今回は退くが、

 次はこうはいかぬから

 覚悟しておきなさい。」

こう告げた後、

無の魔女は火山島近海から

何処かへ飛び去っていった。

・・・

「良かったわ卵ちゃん、

 無事で何よりだわ。」

「卵さんを無事に救出する事が出来て

 何よりです。」

ほと子とひえ子達は火の神さんの卵を、

火山島へ運んできた。

「ブヒ、

 火の神さんの卵が

 火山島に帰ってきたブヒ。」

「ピュー、

 これで大丈夫だピュー、

 オレは風のマスターエレメントに報告して

 無人島をいつもの場所へ戻すピューから、

 後の事はお前達に任せるピュー。」

「ブヒ、

 風の声助さん、

 ありがとうブヒ。」

「私も冷気のメユの源泉へ戻ります。

 卵さんの事は姉さん達に

 お任せします。」

「ブヒ、

 ひえ子さん、

 ありがとうブヒ。」

「いやいやでしたけど、

 結果には満足出来ましたから気になさらず、

 それでは。」

風の声助とひえ子は、

それぞれのメユの源泉へと帰っていった。

「さぁプグ助、

 卵ちゃんを火の神の間へ戻すわよ。」

「ブヒ。」

・・・

「さぁ卵ちゃん、

 帰ってこれたわよ。」

ほと子は火の神さんの卵を

火の神の間の台座へ戻した。

すると・・・

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・

と、

火山島の底から

火のメユの源泉のエネルギーが

再び火山島へ戻ってきた。

「ブヒ、

 マグマが地下から力強く

 湧いてきたブヒ。」

そして火山島は

以前の活力を取り戻し、

暖かい気温になっていった。

火山島の地表では・・・

「パラー、

 温泉が元に戻ったパラー。」

「おぅ、

 まずはみんなで

 冷えた体を温泉で温めるグラー。」

「フィー(水温も以前の水温に

     戻ったヤドー)。」

と、

火山島の皆はほっとしていた。

「ブヒ、

 火山島が元に戻って良かったブヒー。」

「プグ助、

 今回の働きでアンタを見直したわ、

 中々やるわね。」

「ブヒ、

 ぼくちゃん少し役に立てて

 ほっこりブヒ。」

すると、

プグ助達の前に回路しゃんが現われた。

「プグ助さん、

 火のメユの源泉を元に戻せて何よりでした。

 良い働きでしたよ。」

「ブヒ、

 回路しゃん、

 みんなの協力で何とか出来たブヒよ。」

しかし、

プグ助と回路しゃんの会話を

見ていたほと子は驚いた。

「ちょっとプグ助、

 回路しゃんって呼んでるその方は・・・」

すると、

何かを言おうとしたほと子に

回路しゃんは小声で言った。

「ほと子さん、

 プグ助さんには

 私の正体については

 今しばらくはご内密に。」

「そうなんですか・・・

 それなら触れずにおきますけど。」

「ブヒッ?」

「プグ助さん、

 次の目的地へ向かう前に、

 この火山島で少し休んでいきましょう。」

「ブヒ、

 それならぼくちゃん

 みんなに知らせるついでに

 温泉に入ってくるブヒ。」

と、

プグ助はピパラやグラッチさん達への

報告も兼ねて、

地表の温泉へと向かって走っていった。

ほと子は

プグ助を見ている回路しゃんに尋ねた。

「回路さん、

 プグ助はあなたの事を

 知っているのですか?」

このほと子の言葉に回路しゃんは・・・

「時が訪れたら

 プグ助さんにも

 話そうと思っています。」

「・・・そうですね、

 その方が良いかも知れませんね。」

「今は、

 プグ助さんの成長を見守り、

 共に旅を続けます。」

「ほと子さん、

 私はプグ助さんに付き添いますので、

 これにて失礼します。」

と、

ほと子の前から姿を消した。

ほと子は、

複雑な表情をしつつも、

「プグ助達も大変なのね・・・

 でも、

 卵ちゃんが無事で何よりだったわ。」

と、

火のメユの管理者を見つめて

ほっとしていた。

 

(火山島編及び

 冬の火山島編 完)

 

 

 

次回予告

 

プグ助と回路しゃんは、

火山島の次のエリアへ向かう準備をしていた。

「これまでの旅の経験は、

 ぼくちゃんに息づいているブヒよ。」

「そうですね、

 竜宮城、風の無人島、大地の交流点、

 そしてこの火山島で、

 良い出会いと旅が出来ていますね。」

そして、

「オイラは、

 このもう一つのメユの木を

 育てているビトー。」

「ブヒ、そうなの?」

そしてさらに、

「ついに、

 プグ助さんに全てを説明する時が

 やって来た様です。」

「プグ助さんと私が、

 なぜメユの源泉を目指す旅を

 しているのか・・・」

・・・

プグ助と回路しゃんの旅路に

待ちうけているものとは?

プグ助の、いろんな味を食べてまわるブヒー旅

次回にどうぞご期待下さい。

 

(つづく)

 

 

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