あらすじ
食いしん坊のプグ助は
ひょんな事から回路しゃんという存在と
共に旅をする事となった。
プグ助の目的の、
何か食べ物が食べたいという事と、
回路しゃんの目的の、
プグ助が食べ物を食べた時の感想を聞く
という相互の目的を達成するべく、
二人(?)は、
りゅうぐうじょうへ向かった。
そしてプグ助達は、
旅で出会った浦島老の協力により
りゅうぐうじょうの問題を解決する。
竜宮城を再生したプグ助と回路しゃんは、
次の目的地を目指すのであった。
今回は、何が待っているのやら・・・
始めに
この創作物はフィクションであり、
実在の人物及び団体とは関係ありません。
しかし、こちらの認識不足により、
以前から活動されている方々の活動内容及び
創作内容と重複してしまう場合も考えられます。
この場合、相互の活動の住み分けの為に、
こちら側での名称変更及び内容の見直しなど、
公の場での発表の後、プラン修正として考えております。
「こちらの創作物の内容について何かございましたら、
連絡をいただければ、
再考の後に内容修正いたします。」
この考えをこちらの基本的な活動方針とし、
この創作物の内容にて、
全ての皆さんに、このストーリーを贈ります。
第三章 (なぞの無人島)
無人島に風が吹いていた。
月夜を厚い雲が覆い、
滝の様な雨が木々の葉に降り注ぎ
激しい音を鳴らしていた。
人間では、この環境現象を
心地よく思う者は
多くないかも知れない。
しかし、
無人島の環境に生きる生命は、
この自然の循環と共に存在していた。
「ブヒ、ごちそうさまでしたブヒ。」
「・・・
イノブタ貪欲畜生旅人とは言っていましたけど、
自己批判による反省を促していた
部分もあるのですよプグ助さん。」
「ブヒ、そうなの?」
「まさか次の目的地へ行く前に、
分けてもらった商品券を
「全て食べ物で」使いきってしまうとは
思いも寄りませんでした。」
プグ助は乙ヘビから渡された
全国共通商品券を、
全て食べ物で使いきった。
「しかし、
エネルギー補給出来たと考えて、
次の目的地へ向かいましょう。」
「ブヒ、
回路しゃん、
ぼくちゃん質問があるブヒ。」
「先ずは、
その質問の内容を聞きます。」
「ブヒ、
目的地の食べ物を食べてまわる事に
理由はあるブヒか?」
「おつむいい天気なプグ助さんと
思っていましたが、
良い質問をしますね。」
「ブヒッ。」
「ぼくちゃんもオーナーとしての経験を経て
成長しているブヒ。」
「そうですね、
では質問に答えます。」
「この旅での私の目的は、
自然というこの地の環境の
今現在の姿を確認する事です。」
「そして、
自然の今現在を知る確実な方法が、
食べ物を食べるという事なのです。」
「ブヒ、そうなの?」
「はい、
そして自然の声を聞く事が出来るプグ助さんを、
テイスティングモニターとして
選んだのです。」
「ブヒ、
ぼくちゃんテイスティングモニター
だったブヒか。」
「はい、
食べ物を大切に口にするという感覚の部分で、
プグ助さんは今の所
良い働きが出来ていますよ。」
「ブヒ、
ちょっと照れるブヒ。」
「そして、
次の目的地での食べ物を食べた時も、
自然の今現在を
テイスティングモニターとして
聞かせて下さい。」
「ブヒ、
ぼくちゃん次の目的地でも
テイスティングモニターとして
食べるブヒ。」
「ところで回路しゃん、
次の目的地ってどこブヒ?」
「次の目的地は・・・」
「とある「無人島」です。」
プグ助は、
無人島という言葉を聞いて、
少し不安になった。
「ブヒッ、
回路しゃん、無人島に
食べ物屋さんはあるブヒか?」
「無人島にお店はありません。
おそらくは自然環境での
調査となるでしょう。」
「ブヒ、
お店の味じゃないと
ぼくちゃんのテイスティング感覚が
やる気出ないブヒ・・・」
「大丈夫ですよプグ助さん、
先ほどまでの食べたエネルギーで
乗り切りましょう。」
「ブヒ・・・
商品券を節約して
取っておけばよかったブヒ・・・」
「プグ助さん、
挫けず無人島を目指して
海沿いの道を進みましょう。」
・・・
というわけで、
プグ助達は無人島を探す為に、
海沿いへやって来た。
「ブヒ、
岩場から水面を見ると、
魚さんが泳いでるのが見えるブヒ。」
やる気の出なかったプグ助だったが、
手に触れれる間近の海を目の当たりにした。
「ブヒ、
竜宮城の海とは別ジャンルの
荒磯の自然の海感ブヒ。」
プグ助は何だかテンションが揚がってきた。
ワサワサワサワサワサワサワサワサワサワササ・・・
「ブヒ、
何かワサワサしてるフナムシが
たくさんいるブヒ。」
プ~~~ン・・・ピタッ・・・チュー・・・
「ブヒ、
ぼくちゃんの分子結合被膜をつき破って
吸血昆虫が体液を吸ってるブヒ。」
プグ助は、
虫に刺された部分に
絆創膏を貼っていると・・・
ザザーッ・・・ザッパァーン・・・
「ブヒ、
荒磯の波打ち際に
なぞ生命体な貝がへばりついていて、
思わず引きはがしたくなる衝動に
駆られてしまうブヒ。」
プグ助は、
荒磯の生き物をいじくり始めて
何だか妙なテンションになっていた。
「プグ助さん、
没頭しすぎると日が暮れてしまうので、
目的地を目指しましょう。」
「ブヒ、無人島ブヒね。」
プグ助は回路しゃんのナビゲーションにより、
海沿いをさらに進んだ。
すると・・・
「おいコラ、何してんだ!」
「ブヒッ?」
「この辺では見かけねぇ顔だな!」
「ブヒブヒッ??」
「おぅ、
さてはサザエやアワビを狙う密漁者だな!」
「ちょっと組合事務所まで
来てもらおうか!」
「ブヒブヒブヒ~・・・」
すったもんだで、
プグ助は密漁者と間違われ、
不審者として連れていかれた。
「なるほどな、
サザエやアワビが目的では無かった訳だな。」
「そうブヒ、
ぼくちゃんは無人島へ向かっているブヒ。」
「でもよ、
この辺には無人島なんて、
聞いた事もないぞ。」
「ブヒ、そうなの?」
「でも、
「浜のじっちゃん」なら
何か知ってるかもしれん、
聞いてみるといいぜ。」
「ブヒ、ありがとうブヒ。」
というわけでプグ助は、
浜のじっちゃんという人物に聞きに行った。
・・・
「ウィーヒック・・・
よそ者が何用じゃ?」
「ブヒ、
ぼくちゃんはプグ助と申しますブヒ、
お酒くさいブヒ。」
プグ助が会いに来た浜のじっちゃん
という人物は、このエリアの地元民として
歴史に詳しい人だった。」
「何ぃ~、無人島がこの辺にあるかどうかじゃと~?」
「この辺りにゃ~無人島なんて無ぇーぞ。」
「ブヒ、そうなの?」
「でもよ~、
わしが子供ん頃、
ひいじいちゃんに不思議な話を
聞いた事がある。」
「満月の大潮の夜に、
この辺の沖合いに
ひょっこりと水面から顔を出す
「満月岩」って言うのがあるらしい。」
「ブヒ、満月岩?」
「だが満月岩って言うぐれ~だから、
お前ぇの探してる無人島とは
違うかも知れねぇーけどな。」
「ブヒ、
回路しゃんはどう思うブヒッ?」
「この場所の沖合いの先に、
とある無人島が存在する事は
間違いありません。」
「ブヒ、
それなら確かめてみるブヒ。」
「お前ぇ誰と話ししてるんだ?」
「ブヒ、
回路しゃんと話してたブヒ。」
「回路しゃん?
わしとお前ぇ以外誰もここにはいねーぞ。」
「ブヒ、
回路しゃんは特殊な存在ブヒ。」
「特殊な存在かぁ、
人生いろいろあるからの~、
お前ぇの様な儚い存在がおる
のも、世の中や大人の責任よー。」
「よし、
今夜はちょうど満月の大潮じゃ、
わしがお前ぇを満月岩へ
わしの舟で乗っけてってやる。」
「ブヒ、
ありがとうブヒ。」
じっちゃんに哀れまれたプグ助は、
ご厚意により
満月岩へ向かう事になった。
・・・
しばらくして夜になり、
満月の大潮の時間になった。
プグ助はじっちゃんの舟で
沖合いに向けて港を出た。
海は穏やかで、
ゆるやかに波打つ水面に映る満月の光が、
まるで道の様にプグ助達の乗った舟を
誘導していた。
「ブヒ、
水面に映る月の光が
道の様になってるブヒ。」
そして、
月明かりの道しるべの先へ進んだプグ助達は、
満月の大潮の夜に現れるという
満月岩へ辿り着いた。
「おぅ、
おそらくここが満月岩じゃ。」
「わしはこの辺の地形を
ガキの頃から知ってるが、
こんな岩は見た事ねぇ。」
「ブヒ、
じっちゃんさんはこれまで満月岩を見に来た
事なかったブヒか?」
「ひいじいちゃんに話を聞いた時は
舟を持ってなかったからのぅー。」
「お前ぇが訪ねてくるまで
満月岩はひいじいちゃんの作り話だと
思ってたわぃ。」
満月岩は、
海面から数平方メートル位の面積で、
海に出現していた。
「ブヒ、
小ぢんまりとしていて
無人島と言うにはせまい面積ブヒ。」
「回路しゃん、
ここが無人島ブヒか?」
「いいえ、違います。
しかし、この先に
目的地の無人島が存在します。」
「ブヒ、そうなの?」
「誰と話してるかはともかく、
人生そういう時もある。」
「しばらくのんびり
月見でもするとえぇ。」
じっちゃんはプグ助を哀れに思い、
ふところのドリンク内服液を飲んだ。
プグ助とじっちゃんは満月岩の上で、
静かに耳をくすぐる波音を聞きながら、
夜空に浮かぶ満月と
月明かりが照らす水面を眺めていた。
「ブヒ、
ふぜいがあって
何かがやって来そうな
良い景色だブヒ。」
と、プグ助が
水面に映る月明かりの道の先を
見ていると・・・
「ブヒッ?
何かがこっちに向かって来るブヒ。」
プグ助の目が、
満月岩に近づいて来る
謎の飛行物体を発見した。
「ブヒ、
どんどん近づいて来るブヒ。」
「おぅ、どうしたプグ助?」
「ブヒ、
何か空飛ぶかたまりの様な物が
近づいて来るブヒ。」
じっちゃんがプグ助の指し示す方向を
見てみると・・・
「おぅ、
ありゃー海鳥の群れじゃ。」
「漁船のライトも無い夜の海に
海鳥の群れとは、
珍しいのぅー。」
まるで大きな塊かの様な海鳥の群れが、
満月岩へと向かって近づいて来ていた。
そして、
プグ助達の目前までやって来た。
「ブヒ、
すごい数の海鳥達ブヒ。」
「明かりも無いこんな時間に
海鳥の大群なんて、
初めて見るわぃ。」
と、
プグ助とじっちゃんが話していると・・・
ピュ~~~ッ・・・ペチャッ・・・
と、
プグ助の頭に何か落ちてきた。
「ブヒ、
海鳥がウンコしてったブヒ。」
ピュ~~~ッ・・・
ピュ~~~ッ・・・
ピュ~~~ッ・・・
と、
海鳥の大群はプグ助達の上空で
次々とフンをひり落とし始めた。
「こりゃーすごい量のフンじゃ。」
「ブヒ~ッ、
海鳥のウンコまみれだブヒ~・・・」
プグ助達の上空からの
海鳥の大群による急降下フンひり落としにより、
満月岩というよりは
「鳥のウンコ岩」に
なってしまった有り様だった。
「ブヒー、
海で体を洗うブヒー。」
「ほれプグ助、
この手ぬぐいを使うとえぇ。」
プグ助とじっちゃんは、
満月の映る水面で体を洗った。
「ブヒ、
清らかだか汚れているか分からなくなる
シチュエーションブヒ。」
「ふぅ~、
さっぱりしたわぃ。」
海鳥の大群は、
満月岩から少し離れた場所で、
円を描いて飛んでいた。
そしてプグ助は
円を描いて飛ぶ海鳥の大群の中心に
何かを見つけた。
「ブヒ、
群れの中心に何かいるブヒ。」
プグ助が目を凝らして
海鳥の大群の中心を見ていると、
「天と地と海が交わる
この瞬間を待っていたピュー。」
という声が聞こえた後、
円を描いて飛んでいた海鳥の大群は
形を変え、円の中心に存在する
謎の声の存在に道を開けた。
「さて、
今夜もいつもの場所へ一番乗りで
月見でも・・・」
「ブヒッ?」
満月岩の上に居るプグ助を認識した時、
謎の存在は
人間であるじっちゃんには見えないが
プグ助にはうっすら見える風の渦としての
姿を現した。
「ピ・・・
ピューッ・・・
まさか・・・」
「ブヒブヒッ?」
「こっ・・・
このオレが・・・」
「ブヒブヒブヒッ?」
「天と地と海が交わる
この瞬間の月見の場所取りで
先をこされた・・・ピュー・・・」
「ブヒ、そうなの?」
「しかも、
オレより先に来たやつが、
この様なトロくさそうなイノブタ
かピュ・・・」
「ブヒッ、
何かあったブヒ?」
何かよく分かってないプグ助を尻目に、
風の渦の様な謎の存在は憤った。
「み・・・
認めん・・・
オレは認めんピューッ!」
「この地を瞬時に移動出来るこのオレが、
ナイススポットの場所取りで負けたなど、
断じて認めんピュー。」
「ブヒッ?」
「さらに、
オレを負かした存在が
こんなイノブタなど、
さらに認めんピュー。」
「ブヒブヒッ?」
「うぬぅ~、
しかし・・・
天と地と海が交わる瞬間の
ナイススポットに、
このオレより先に
行き着くピューとは・・・」
「ブヒブヒブヒッ?」
「まずはこのイノブタが何やつなのかを
調べてみるピュー。」
「スキャニングエアーウェーブ
だピュー。」
謎の風の声は、
プグ助が何者なのかを調べる為、
風の流れにより発生する超音波による
物質探査スキャンを行なった。
「ブヒ~、
風の流れで目が回るブヒ~。」
謎の風の声にスキャンされているプグ助は、
風の流れでクルクル回っていた。
「このイノブタの物質的内部構造は・・・
基本フレーム骨格はチタン合金・・・」
「内部は無機物集積回路及び
有機物生体器官及び
格子結晶化した有機物流動体、
体の表面を覆う
特殊な分子結合被膜と
被膜内側の有機物流動体・・・」
「ブヒ~、目が回るブヒ~。」
「生命体からの派生では無く、
何らかの意図により構築された
人工的存在の可能性があるピュー
にしろ・・・」
「スキャン終了だピュー。」
「ブヒ~・・・
目が回ってフラフラするブヒ~・・・」
ポチャン。
プグ助は目が回った末、
満月岩から海に落っこちたが、
じっちゃんがすぐに手を差し出して
プグ助を掴んだ。
「くるくる回った状態で
海に入っちゃいかんぞプグ助、
ほれ掴まれ。」
「ブヒ~、
えらい目にあったブヒ、
じっちゃんさんありがとうブヒ。」
じっちゃんの手をかりて、
プグ助は満月岩の上に戻った。
「風を操るこのオレが
場所取りで負けた事実を、
オレ自身がオレを許せないピューから、
イノブタ、オレはお前に
勝負を申し込むピュー!」
「ブヒ、勝負ブヒか?」
「どうしたんじゃプグ助、
また特殊な人と
話しをしておるのか?」
(プグ助は風の声と話をしているが、
じっちゃんには風の声は
聞こえていなかった。)
じっちゃんがプグ助を心配するものの、
プグ助は独り言を呟いていた。
するとその時、
強い風が満月岩に吹いた後、
竜巻がプグ助を空に運んでいってしまった。
「おぉープグ助ー、
大丈夫かー。」
「じっちゃんさん、
心配しなくていいブヒー、
ちょっと出かけて来るブヒから
次の満月の日にここへ
迎えに来てほしいブヒー。」
プグ助は、
じっちゃんの前から竜巻に乗って
空へ飛び去って行ってしまった。
「こりゃまたえらい事になったのぅ・・・」
と、
じっちゃんがプグ助を心配していると、
じっちゃんの耳に何処からか
誰かが語りかけた後、こう言った。
「プグ助さんを思いやってくれる
人間のご老体よ、心配しなくても
プグ助さんは大丈夫ですから、
プグ助さんの言葉通りに
次の満月の大潮の夜・・・」
「ここへプグ助さんを迎えに
来てほしい。」
この声を聞いたじっちゃんは、
驚いた様子だったが・・・
「プグ助が言っていた
特殊な人っていう御仁か・・・」
「この歳まで生きてきて
こんな声を聞くなんて
わしは初めての経験じゃよ。」
じっちゃんは声を聞いてびっくりしたものの、
特殊な人の声を信じてみる事にした。
「仕方無いのぅ、
次の満月の日にまた来るか・・・」
・・・
少し時間を遡り、
風の声はプグ助に
こう言っていた。
「おぅイノブタ、
勝負の内容は、
スタート地点から次の満月の日の夜までに
オレとお前のどちらが
満月岩のナイススポットへ
早く着くかのレースだピュー。」
「ブヒ、そうなの?」
「オレが負ける事は無いだろうが、
もしお前がオレに勝ったら、
お前の言う事を聞いてやるピュー。」
この風の声からの誘いにプグ助は、
「ブヒ、
めんどくさそうだから
受けたくないブヒ。」
と、
この風の声との勝負に
乗る気無さげだった。
しかし風の声は、
「いいやオレと来てもらうピュー、
勝者はチャレンジャーの挑戦を
迎え撃つものだピュー、
応じてもらうピュー。」
「ブヒ、
ぼくちゃん勝者だったブヒか、
それなら仕方ないブヒ。」
「本来ならイノブタにはもったいないが、
特別サービスとしてお前を風の力により
スタート地点までオレが
乗っけてってやるピュー。」
「「ワレノゾムカゼニノリアノチヘユクコトヲ」
(風の移動呪文)ピュー。」
こうしてプグ助は、
風の声と満月岩から飛び立ち、
勝負のスタート地点へと
空へ向かって移動した。
・・・
風の声の呪文により、
プグ助は空を飛んで移動していた。
「ブヒー、
ぼくちゃん空を飛んでるブヒー。」
初めて空を飛んで
テンションが揚がっているプグ助に、
回路しゃんが伝えた。
「プグ助さん、
向かっている先にある場所が
今回の目的地の無人島です。」
「ブヒ、そうなの?」
「ここからが本番です。
まずは行ってみましょう。」
空を飛ぶプグ助の目は、
大きく光る満月と、
夜空を彩る星々の輝きの
コントラストを、
とても鮮やかに捉えていた。
「ブヒ、
何だかとっても大きな自然ブヒ。」
こんな感じで夜空を移動しているプグ助の目に、
空に浮かぶ何かが見えてきた。
「ブヒ、
空に浮かぶ何か大きな物が
月明かりに照されてるブヒ。」
すると、
風の声がプグ助に話しかけてきた。
「おぅ、
あれが今回の勝負のスタート地点
「右渦島と左渦島」だピュー。」
「ブヒ、
確かに大きな島が二つ
空に浮いてるブヒ。」
「おぅ、
風と空気の源泉の力により機能している
空に浮かぶ無人島だピュー。」
そしてプグ助は、
片方の島に到着した。
「ブヒ、
空に浮いてる無人島なんて
めずらしいブヒね。」
この二つの無人島は、
風の声が言う源泉の力により
地表から空に浮かんでいた。
そして、
二つの島の周辺の風と空気の流れにより、
二つの島には水が供給され、
清らかな水により
動植物が多様に存在していた。
それぞれの島を構築する土台としての
岩盤には、鉱物資源が含まれており、
二つの島の自然環境を維持する為の
ミネラル分として供給されていた。
「ブヒ、
自然豊かな環境の無人島ブヒ。」
「さぁイノブタよ、
ここをスタート地点として、
次の満月のナイススポットへどちらが
先に到着するかの勝負だピュー。」
「オレはお前と同じ条件で、
もう片方の島から
次の満月の満月岩を目指すピュー。」
こう言った風の声は、
プグ助の前で姿を変え、
プグ助にそっくりな存在の形に
自らの姿を変化させた。
「このパッケージボディーは、
お前とほぼ同じ性能条件だピュー。」
「さぁ今からスタートだ、
オレはお前より先に
次の満月のナイススポットへ
行き着いてやるピュー。」
「ブヒッ、
ここからどうやってあの満月岩へ
行けばいいブヒか~?」
「そんな事は自分で考えろ、
自然環境クラフト勝負だピュー。」
こう言った後、
風の声はもう片方の島へ去っていった。
ポツ~~~ン・・・
「ブヒッ、
とりあえず朝が来るのを待つブヒ。」
・・・
そして、夜が明けて朝がやってきた。
プグ助は、
自然豊かな無人島の日の出を
見つめながら、
裸一貫のスタートとなった。
「ブヒ、
どうしたもんかブヒ~・・・」
グゥ~~~ッ・・・と、
プグ助のおなかが
ハラペコ音を鳴らした。
「おなかへったブヒ~、
まずは食べ物を探すブヒ~。」
プグ助は考えた末、
無人島の森林で植物性の食べ物を
探してみる事にした。
「ブヒ~、
木や草がボーボーだけど、
どれが食べれる植物なのか
分からないブヒ・・・」
と、プグ助が森を歩いていると、
木の根元にキノコが生えているのを
発見した。
「ブヒ、
キノコ見つけたブヒー、
赤々として色あざやかブヒ。」
プグ助が色鮮やかキノコに
触ろうとすると・・・
「プグ助さん、
それはベニテングダケという
毒キノコですよ。」
と、
回路しゃんがアドバイスをくれた。
「ブヒ、そうなの?」
「回路しゃん、
どれが食べれる植物か分からないブヒ。」
「調理された料理が目の前にあると
ブヒブヒ貪る割に
自然環境では脆弱ですね。」
「ブヒ、
ぼくちゃんのセンサーでも察知出来ない
大自然の奥深さブヒ。」
「仕方ありませんね、
プグ助さんを放っておくと
危なっかしいので・・・」
「私がエネルギー分散調整回路のデータを使い、
プグ助さんをナビゲートします。」
「ブヒ、助かるブヒ。」
という事で、
回路しゃんがプグ助をサポートする事になった。
「ブヒ、
気をとりなおして
食べ物を探してみるブヒ。」
プグ助達は森を散策してみた。
すると回路しゃんが何かを見つけた。
「プグ助さん、この植物は
自然薯の茎と葉の部分ですよ。」
「ブヒ、
ただの草にしか見えないブヒ。」
「ただの草だなんて事はありませんよ、
とても栄養のある植物の品種です。」
「ブヒ、そうなの?」
「プグ助さん、
根元を掘ってみてください。」
プグ助が回路しゃんの見つけた植物の
根元を掘っていくと・・・
「ブヒ、
根っこがプックリしてるブヒ。」
「良いものを見つけましたね、
とても栄養のある食材です。」
プグ助は、
自然薯を手に入れた。
(パンパカパンパーン)
「ブヒ、
この調子でどんどん探して
食べ物を見つけていくブヒ。」
プグ助は回路しゃんのサポートにより、
食べれる食材を採取していった。
・・・
そんな中プグ助達は、
森にある水場にたどり着いた。
「ブヒ、
水が地面から湧いて流れているブヒ。」
「浩々と湧く湧水ですね、
地層により濾過されている
クリーンな水です。」
「水は大切な要素ですプグ助さん、
この水場を今回の拠点にすると
良いでしょう。」
「ブヒ、
ぼくちゃんもそう思ったブヒ。」
プグ助は、
森の水場を拠点にする事にした。
(パンパカパンパーン)
「ブヒ、
水と食材が手に入ったから、
さっそく食べるブヒ。」
「プグ助さん、
生で食べるのも良いですけど、
食べ物としてのエネルギー変換効率を
高める手段として、
加熱調理を行なってみると良いですよ。」
「ブヒ、そうなの?」
「はい、
そして加熱調理に必要な要素は火、
火をおこしてみましょう。」
プグ助は回路しゃんのアドバイスにより、
木片を拾い集めてやぐら状に組み合わせた。
そして木の枝と木片の接点の摩擦熱により、
焚き火をおこす事に成功した。
「ブヒ、
ぼくちゃんの文明がスタートを切った
感じがしておもむき深いブヒ。」
こうしてプグ助は、
とりあえず加熱調理した食べ物を
口に出来た。
「ブヒ、
ごちそうさまでしたブヒ。」
「まずは食事が出来て何よりですけど、
ここからが大変ですよプグ助さん。」
「ブヒ、
この空に浮かぶ無人島から、
どうやって満月岩まで行くブヒか?」
「そうですね、
しかも時間制限もあります。
次の満月まで30日程ですけど、
この期間で何か移動する方法を
考えないといけません。」
プグ助と回路しゃんは、
今後のプランを考える為に、
「プグ助さん、
まずはこの無人島に何があるのかを
知る為に探査してみましょう。」
「そうブヒね、
何かスペシャルアイテムが眠っているかも
知れないブヒね。」
というわけで、
プグ助と回路しゃんは
無人島を調べてみる事にした。
・・・
「ブヒ、
草ボーボーな最果ての地の様なわりに
広いブヒね。」
「円の直径の距離が
20キロメートル位の
丸い形の無人島の様です。」
「つる植物やゴムの木なども
豊富に自生していますね。」
「ブヒ、
坂道を登ると息切れするブヒ~。」
「島の中央の山の高さは
2~300メートル位ですね、
高山植物も生えていて
多種多様な生態系を構築しています。」
ザァーーーッ・・・
「ブヒ、
雨が降ってきたブヒ。」
「時折降る雨が地層に蓄えられて
島の水源として機能していますね。」
「ブヒ~、
大まかに歩いて探してみたブヒけど
スペシャルアイテムなかったブヒ・・・」
「空に浮かんでいるという点以外は、
割と普通な自然環境豊かな無人島
でしたが、大まかに
この島の環境は把握出来ました。」
「ブヒ、
回路しゃん、まずはどうしたものか
ぼくちゃんでは思いつかないブヒ。」
「まずは基礎となる環境を
整えましょう。
短い期間とはいえ日々をすごす
大切な部分ですから、
プグ助さんのコンディションを維持
する為にも重要な要素です。」
「ブヒ、そうブヒね、
やってみるブヒ。」
こうして、
プグ助は回路しゃんのサポートにより、
まずは自然環境クラフト生活を行う為に、
つる草ロープ、
石の刃、
石ノコギリを作った。
(パンパカパンパーン)
「ブヒ、
ぼくちゃんの文明も
次のステップへ進み始めたブヒ。」
そして、
プグ助は道具を使って
簡易型マイルームを作った。
(パンパカパンパーン)
「ブヒ、雨風をしのげる
マイルームの完成ブヒ。」
更にプグ助は、
粘土を使って土器、
地層から見つけた岩塩、
木炭を作ってエネルギーの貯蔵
なども行なっていった。
(パンパカパンパーン)
「ブヒ、
ぼくちゃんの文明テクノロジーも
高まりを見せてきたブヒ。」
こうして、数日が経った。
・・・
「ブヒ、
次は何を作ろうかブヒ。」
「プグ助さん、
目的を覚えていますか?
満月岩へ行く事ですよ。」
「ブヒ、
そうだったブヒ、
手段が目的になってしまっていたブヒ。」
「でも、
この無人島からどうやって
満月岩まで行くブヒか?」
「そうですね、
この海上の空に浮いている無人島
という場所から満月岩まで、
どの様に移動するかの方法を
考えましょう。」
「ブヒ、
空にいるから空飛ぶ乗り物を作るブヒか?」
「実現は出来るかも知れません。
しかし時間が掛かりすぎて
次の満月までに間に合わないかも
知れません。」
「ブヒ、
さすがのぼくちゃんでも
空飛ぶ乗り物を作り出すには、
ぼくちゃんの文明テクノロジーの
熟成期間が必要ブヒ。」
「そこでプグ助さん、
別の方法を考えてみましょう。」
「ブヒ。」
「空からの移動ではなく、
海からの移動方法です。」
「う~ん・・・
でも回路しゃん、
この無人島は空に浮いてるブヒよ?」
「そうです、
まずは、この空に浮かぶ島から
海に降りる方法を考えましょう。」
「ブヒ、
海へ降りたらどうするブヒ?
ぼくちゃんそんなには泳げないブヒ。」
「そこで海に降りた時の為の
舟が必要になります。」
「ブヒ、
難易度の高い方法ブヒ・・・
ぼくちゃんの文明テクノロジーでも
期日までに用意出来るかは難しいブヒ。」
「そんなに複雑な舟でなくても良いです、
いかだやカヌーの様な舟なら、
今現在の環境でも作れるはずです。」
「ここで問題になるのは、
どうやって舟を海に降ろすかの方法です。」
「そうブヒね~その問題ブヒね~・・・」
「舟を長いロープで吊り下げて、
ここから海まで
ゆっくり降ろしましょう。」
「これまでの無人島探査で、
ロープとして使えるつる草の充分な量を
確認出来たので、
実現は可能です。」
「ブヒ、
それならまずは舟を作ってみるブヒ。」
「ロープで吊り下げて降ろすという方法なので、
重くない形の舟が望ましいです。」
「ブヒ、
ライトウェイトなパッケージングで
作れば良いブヒね。」
という事でプグ助は、
舟を作る事になった。
考えた末に、
自生していた竹をロープで繋げた
カヌースタイルのいかだを
プグ助は作った。
「ブヒ、
流線型のライトウェイトボディーに
仕上がったブヒ。」
プグ助はテスト航行の為、
いかだを水辺に運んで浮かべた後、
自らが乗れるかどうかを
確かめる事にした。
「ブヒ、
プグ助号の進水式ブヒ。」
と、プグ助は水辺に浮かべたプグ助号に
自ら乗ってみた。
「ブヒ、
プグ助号しっかり水に浮いてるブヒ、
これなら大丈夫・・・」
と、
思っていたら・・・
ぴゅ~っ、ブクブクブク・・・
と、
プグ助を乗せたプグ助号は、
舟底から水が吹き出し始めて浸水した。
「ブヒ~・・・
進水早々浸水し始めたブヒ~・・・」
沈みはしなかったものの、
水に浮くのが精一杯の出来だった。
「ブヒ・・・
プグ助号ではだめブヒか・・・」
と、
プグ助が落ち込んでいると、
回路しゃんが声をかけた。
「プグ助さん、
これはこれで中々の出来映えですよ。
更に改修を行なえば、
しっかりと機能しそうです。」
「ブヒ、そうなの?」
「いかだとはいえ、
流線型のライトウェイト形状は、
良いアイデアです。」
「そこで、
浸水を気にせず舟を支えるフロートを
追加すれば、
このライトウェイト形状を活かしつつ、
長距離航行も行なえる様な
改修となるはずです。」
「あと、
プグ助号の改修と並行して、
プグ助号を吊り下げるロープも
作りましょう。」
「ブヒ、
希望が持ててやる気がわいてきたブヒ。」
という事で、
プグ助はプグ助号の改修作業と並行して、
吊り下げ用ロープも作り始めた。
「うんせうんせブヒ、
せっせせっせブヒ。」
プグ助は目的に向かって、
コツコツと努力を続けた。
そして、
さらに10日程経った。
・・・
「ブヒ、
プグ助号の設計をフレームから見直して
弱点を克服したニューマシン・・・」
「ν(ニュー)プグ助号の完成ブヒ。」
「基本設計の流線型ライトウェイト形状に加え、
前側部分を中空フロート設計へと改修
及び後部左右に新追加パーツの
フロート付きフレームを増設したブヒ。」
「さらに、
フレーム接合部は木の杭による
打ち止め接合で補強、
そしてさらに水面に接する形状を見直し、
推進力により舟に浮力が加わる
リフティングボディーフォルムを盛り込み、
滑る様に水面に乗って進む
ウェーブライディング形状に
改修したブヒ。」
「これにより、
改修前のデッキ部分に
水が入ってきても、
航行継続が出来るブヒ。」
「舟の重量は少し増加したブヒけど、
安定感と性能向上による
ハイパフォーマンスを期待出来る
パッケージングに仕上がったブヒ。」
というわけで、
プグ助はニュープグ助号を水辺に運び、
チェックしてみた。
「ブヒ、
乗ってみるブヒ。」
すると・・・
「ブヒ、
しっかりした安定感と
舟を支える浮力を感じるブヒ。」
「プグ助さん、
これなら行けそうですね。」
「ブヒ、
どんと行ってみるブヒ。」
(パンパカパンパーン)
・・・
そして、
次の満月の日の朝がやって来た。
「プグ助さん、
今日の夜は満月の大潮の日、
ついにこの日が来ましたね。」
「ブヒ、
このニュープグ助号で
満月岩を目指すブヒ。」
プグ助は、
この日の為に準備した
ニュープグ助号吊り下げクレーンに
マウントされている
ニュープグ助号を見つめていた。
そして日が昇り始め、
日の出の光が
ニュープグ助号を照らし始めた。
「さぁプグ助さん、
始めましょう。」
「ブヒ、
必ずこのプロジェクトを
完遂するブヒ。」
そしてついに、
プロジェクト「無人島から満月岩へ」
が発動した。
・・・
「ブヒ、
まずはニュープグ助号を
海まで降ろすブヒ。」
「プグ助さん、
ニュープグ助号の吊り下げロープの状態は
大丈夫ですか?」
「ブヒ、
この日のために
しっかり作ったブヒ。」
「ぼくちゃんとニュープグ助号の重さに
耐える様に作った
しっかりと結ったロープに
ゴムの木の樹液を染み込ませた
衝撃吸収弾力性能のある特別品だブヒ。」
プグ助はこの日の為に構築した
無人島の先端の吊り下げクレーン
のチェックも終えて、
ニュープグ助号に乗り込んだ。
「ブヒ、
無人島さん、
これまでありがとうブヒ。」
プグ助は、
これまで生活してきた無人島に別れを告げ、
いよいよ満月岩を目指す。
「ブヒ、
クレーン作動だブヒ。」
ガシャコンッ!
プグ助は、
クレーンの作動レバーを押した。
グイィィィィィィン・・・
クレーンが稼働を始め、
ニュープグ助号は海ヘ向かって
動き始めた。
「ブヒッ、
無人島が天高く昇っていく様に見えるブヒ。」
プグ助が無人島を見上げている中、
ニュープグ助号はプグ助を乗せて、
ゆっくりと海ヘ向かって
降りていった。
「今の所は大丈夫そうですね。」
「ブヒ、
ゴムでコーティングしたロープは
しっかりしてるブヒ。」
グイィィィィィィン・・・
「ブヒ、
空と海の間に
遠く陸地が見えるブヒ。」
プグ助はニュープグ助号から見える
空からの風景を眺めていた。
「なかなか趣深い風景ですね。」
「ブヒ、自然の雄大さを感じるブヒ。」
・・・
しばらくすると、
ニュープグ助号の下に
海面が見えてきた。
「ブヒッ、
いよいよ海ヘ進水するブヒ・・・」
クレーンは最後まで無事に動作して、
ついにニュープグ助号が海面と触れた。
「吊り下げロープ切り離しブヒ。」
プグ助は、
無人島とニュープグ助号とを
繋ぐロープを切り、
海へと乗り出した。
「ブヒ、
ニュープグ助号のデビューだブヒ。」
「さぁプグ助さん、
目指すは満月岩です。」
「ブヒ、
総員配置につくブヒ。」
「プグ助さんと私以外いませんよ?」
「ブヒ、
ふんいきをもり上げるためブヒ。」
「ニュープグ助号、
発進ブヒ!」
そしてプグ助はオールを手に取り、
ニュープグ助号を発進させた。
「ブヒブヒブヒ~、
ニュープグ助号、
良い速力ブヒ~。」
ニュープグ助号は、
穏やかな海風を感じ
水面を滑る様に進んだ。
しかし・・・
「ブヒブヒブヒ~。」
「ブヒブヒ~。」
「ブヒ~。」
「・・・」
「プグ助さん、
どうしたのですか?」
「ブヒ~、
つかれたブヒ~。
少し休けいするブヒ~。」
プグ助はひと息ついて、
手持ちの携帯食を口にした。
「ブヒモグブヒモグ・・・」
「まぁ、
無事に海に降りる事が出来たので、
その気持ちは分からなくもないですよ。」
・・・
「ブヒ、
それじゃあ気を取り直して行くブヒ。
目指すは満月岩ブヒ。」
プグ助を乗せたニュープグ助号は、
再び前進を始めた。
「ブヒ、
速力安定、ヨーソローブヒ。」
「ブヒこぎブヒこぎブヒこぎ・・・」
ニュープグ助号は水面を、
まぁプグ助なりの速力で
進んでいった。
「ブヒ~、
ちょっとひと休みブヒ。」
しかし、
ニュープグ助号のメイン動力機関は
プグ助ゆえに、
まぁすぐに息が上がっては
休みをはさむプグ助ペースだった。
「回路しゃん、
満月岩まであとどの位かかるブヒ?」
「今はちょうどお昼位ですから、
あと2~3時間位で到着出来るはずです。」
「ブヒ、
順調に進めば夕方までに
満月岩周辺に着けるブヒね。」
と、
プグ助がホッとしていると・・・
「おぅイノブタ、
よくぞ無人島からここまで
やって来たピュー。」
「ブヒッ?」
すると、
ニュープグ助号の上空に
凧に乗った風の声が飛んできた。
「ブヒ、
相手側は大きな凧を作ったブヒ。」
「同じ日数と同じ条件で
人の乗れる連凧を作るとは。」
「プグ助さん、
相手側はクラフト技術と無人島の環境を
熟知している様です。」
「ここまで来れた頑張りに
良い事教えてやるピュー。
今はちょうど満月の日の昼の満潮だが、
今から夕方にかけては引き潮の時間だピュー。」
「ブヒ、
引き潮ブヒか?」
「満月岩ポイントから沖へ向かう
潮の流れだピュー。」
「ブヒ、そうなの?」
「せいぜい汗を流して
満月岩を目指すピュー。
オレは一足先に満月岩ポイントの上空で
満月が昇るのを待つピュー。 」
「満月岩が水面に現われた時、
凧から上陸してオレの勝ちだピュー。」
「じゃあな~、
先に行くピュー。」
と、風の声を乗せた凧は、
満月岩ポイントの方向へ飛び去っていった。
「ブヒッ、
こうしちゃいられないブヒ、
ニュープグ助号発進ブヒ。」
プグ助は、
オールを漕ぎ始めた。
「ブヒこぎ、
ブヒこぎ、
ブヒこぎ・・・」
プグ助もニュープグ助号で
満月岩ポイントへ進んでいった。
だが・・・
「ブヒ~、
少し休けいするブヒ。」
と、
プグ助はまたもや休憩に入った。
「プグ助さん、
相手側の言う様に
少しずつ沖へ流れる引き潮に
変わってきています。」
「それと、
疑問な点があります。」
「ブヒッ?」
「本来なら満月の日は
海面が高く上昇する日。
それなのに満月岩はなぜ、
満月の日の夜に
海面から姿を見せるのでしょうか・・・」
「何か謎があるのかも知れません。」
「ブヒ、そうなの?」
「ここで考えていても仕方がありません。
プグ助さん、
とにかく満月岩ポイントへ向かいましょう。」
「ブヒ、
そうブヒね、出発進行ブヒ。」
「ブヒこぎ、
ブヒこぎ、
ブヒこぎ・・・」
「ブヒ~、
少し休けいブヒ・・・」
・・・
こんな感じで夕方になった。
「ブヒ~、
回路しゃん、
今どの位まで来たブヒか?」
「プグ助さんには言いづらいですが、
引き潮に流されて
スタート地点の方まで戻っています。」
「ブヒ~ッ・・・そうなの~・・・」
「しかし引き潮から満潮へ向かっています。
これからの時間は
満月岩ポイントへ向かう潮の流れの
追い風になるはずです。」
「挫けず、
満月岩ポイントへ向かいましょう。」
「ブヒッ、
ニュープグ助号発進ブヒ。」
「ブヒこぎ、
ブヒこぎ、
ブヒこぎ・・・」
「ブヒ~ッ、
ちょっと休けいするブヒ・・・」
と、
プグ助は少々疲れてはいるものの、
満月岩ポイントへ向かった。
・・・
そして夜になり、
満月が夜空の真上に向けて
昇り始めていた時・・・
「ブ・・・ブヒ~ッ・・・
到着したブヒ~・・・」
プグ助はニュープグ助号により、
ついに満月岩ポイントに到着した。
「プグ助さん、
よくぞたどり着きました。」
「ブヒ~・・・
へとへとブヒ~・・・」
すると・・・
「おぅイノブタ、
よくぞここまで来たピュー、
褒めてやるピュー。」
「ブヒッ!」
プグ助より先に着いていた風の声が、
上空の凧から話し掛けてきた。
「だが、
満月岩が水面から顔を出した時、
オレはお前より先に上陸するピュー。」
そして、
プグ助と風の声が話をしていた時、
満月の位置が真上に差し掛かり、
海面を真上から照らした。
すると、
少しずつ水面に満月岩が
姿を見せ始めた。
「ついに満月岩が水面に現れたピュー。」
「さぁ、
上陸準備だピュー。」
「ブヒッ、
このままでは
先をこされてしまうブヒ・・・」
風の声は凧から縄ばしごを下ろし、
満月岩に上陸しようとしていた。
だが、その時・・・
ビューーーッ・・・
と、
海からの強い風が
風の声の凧を大きく揺らした。
「うぉ~っ、
風で凧が揺れるピュー。」
「プグ助さん、
まだ諦めるには早いですよ、
今のうちに満月岩へ。」
「ブヒ、
急いで上陸ブヒ。」
プグ助は、
風の声の凧が風で揺れている間に
満月岩へ近づいていった。
「うぉ~っ、
風の力を操るこのオレが
風に遮られるとはピュー。」
「イノブタと同じ条件では、
いつもの様にスムーズに
到着出来ないピュー。」
「ブヒ、
チャンスブヒ。」
プグ助はニュープグ助号を
満月岩に接岸させた。
「おのれイノブタめ、
こしゃくにもやって来たかピュー。」
風がおさまり、
風の声も満月岩へ上陸した。
そして、
プグ助と風の声が
満月岩に足をつけた時・・・
満月の光が満月岩の中心を照らした。
「おぉ~っ、
満月岩の月明かりの中心点ピュー、
あれこそがオレの月見ナイススポット
だピュー。」
「イノブタには譲らんピュー。」
「ブヒッ、
ぼくちゃんが行き着くブヒ~。」
月明かりの中心点の
ナイススポットを目指して・・・
プグ助と風の声はほとんど同じ距離で
中心点へ向かって走っていた。
「ブヒ~ッ・・・」
「ピューッ・・・」
まるでスローモーションになったかの様に、
ついに決着の時が来た。
シュワンシュワンシュワン・・・
(スロー映像)
そして、結果は・・・
・・・
僅かな鼻の差で、
風の声が先に中心点へ辿り着いた。
「よっしゃ~、
オレの勝ちだピュー。」
「ブヒ~ッ、
負けたブヒ~・・・」
「ハッハッハ~、
イノブタよ残念だったピューな。」
「ブヒ~ッ、
くやしいブヒ~。」
ここに、
満月岩ナイススポット杯(?)の
決着がついた。
・・・かと思われたが・・・
「ちょっと待つですたいガメ~。」
「ピューッ?」「ブヒッ?」
「この勝負の結果、
再審の余地ありですたいガメ~。」
と、
謎の声が、
満月岩ナイススポット杯(?)へ
物言いを付けてきた。
「誰だピュー?」
「誰ブヒか?」
すると、
満月岩が更に浮上を始めた。
プグ助と風の声を乗せて浮上した満月岩は、
その正体を月明かりの元に出現させた。
「おいどんが
「満月岩ガメ」ですたいガメ~。」
「ピューーー!」
「ブヒッ、
とても大きな亀さんブヒ~。」
なんと、満月岩とは、
巨大な海亀の甲羅の上に乗っていた岩だった。
「このナイススポットは、
はるか昔から、おいどんの
憩いの場ですたいガメ~。」
「ピューッ、
そんな事があるのかピュー。」
「ブヒ、
回路しゃんの言っていたなぞが
解けたブヒ。」
「それじゃあ、
オレが毎回一番乗りだと
思ってた事はピュー・・・」
「おまさんは、
おいどんの後から来てた
新参ものですたいガメ~。」
「ピューッ、
何て事だピュー、
オレのアイデンティティーが
崩れていくピュー・・・」
「ブヒ、
そうだったブヒか~。」
と、
それぞれが考えている時、
「しかし、
おいどんはこのナイススポットを
占有する気は無いですたいガメ~。
後から来た若い衆達にも、
このナイススポットを体験してほしいと
思うですたいガメ~。」
「ブヒ、そうなの?」
「だから、
おいどんからは、勝負については
何も言う事は無いですたいガメ~。」
「ピュー、
それなら今回の勝負は
オレの勝ちだピュー。」
「いいや、
違うですたいガメ~、
風の声助よ、おまさんは負け
ですたいガメ~。」
「ブヒ、
それじゃあぼくちゃんが勝ったブヒか?」
「いいや、
プグ助とやら、
おまさんも負けですたいガメ~。」
巨大ガメによると、
プグ助も風の声助も、
勝利者ではないらしかった。
「おいどんの判定による、
今回の勝利者は・・・」
「ブヒッ・・・」「ピュー・・・」
「ヤドカリの「やど助」ですたいガメ~。」
「ブヒ、
ヤドカリのやど助さんって誰ブヒ?」
「ピュー、
どこにいる奴だピュー?」
ヤドカリのやど助って誰?
と、疑問を持った会場(?)だったが、
「満月岩のナイススポットの月明かりの中心を
よく見るですたいガメ~。」
「ブヒッ?」「ピューッ?」
両者は、
月明かりのナイススポットの中心を、
目を凝らしてよく見てみた。
すると・・・
「フィー(勝利のvサイン)。」
ナイススポットの中心に、
ちんまいながらも
今回のレースに一番乗りしていた
ヤドカリのやど助の姿があった。
「ブヒ、
確かに月明かりの中心に
ヤドカリさんがいるブヒ。」
「こ・・・
このヤドカリが
オレより早かったピューだと・・・」
「疑うなら、
おいどんが記録したビジョン映像を
再生するですたいガメ~。」
「ブハァ~~~ッ・・・」
巨大ガメは、
口から霧をはき、
目から出る光によって、
会場(?)にオーロラビジョンを出現させた。
そして、今回のレースの
ゴール直前の映像をリプレイ再生した。
『ブヒ~ッ・・・』『ピューッ・・・』
ナイススポットへのゴールへ向かう瞬間の
リプレイ映像を、
よ~く見てみると・・・
『フィー(一番乗りヤドー)。』
風の声助とプグ助のデッドヒートの足下で、
確かにやど助が一着でゴールしていた。
「ブヒ、確かに
ヤドカリさんが一番乗りしているブヒ。」
「ピュー、
この映像を見ると確かに
そうだピューが・・・」
「しかし今回の勝負は、
オレとこのイノブタとの勝負
だったはずピュー。」
これについても・・・
「さらに今回のレース開始前の
ビジョン映像をリプレイ再生する
ですたいガメ~。」
すると、
前回の満月時の映像がリプレイされた。
『オレが負ける事は無いだろうが、
もしお前がオレに勝ったら、
お前の言う事を聞いてやるピュー。』
『ブヒ、
めんどくさそうだから受けたくないブヒ。』
というプグ助と風の声助とのやりとりの
足下に目をやると、
『フィー(ボクも参加するヤドー)。』
と、
参加を表明するやど助の姿が、
リプレイ映像に映し出された。
しかし・・・
『本来ならイノブタにはもったいないが、
特別サービスとして・・・』
と、
話をした後にプグ助と風の声助は、
空に飛んでいってしまった。
『フィー(ボクも参加したかったヤドー)。』
と、
やど助は気付いてもらえず取り残された。
ポツーーーン・・・
誰も居なくなった満月岩の上で、
やど助は、
『フィー(不思議だヤドー)。』
『フィー(この満月岩の月明かりを
みんなで楽しもうとせず、
どこかへ行ってしまったヤドー)。』
すると・・・
満月岩ガメがやど助に話し掛けた。
『おいどんもやど助と同じ考え
ですたいガメ~。』
『おいどんは昔からこのスポットに来ていたが、
やど助はあの風の声よりも早く
ここに来てたですたいガメ~。』
『おいどんはやど助が一番乗りとして
認めるですたいガメ~。』
『フィー(満月が明るくて、
照らされた水面が
穏やかヤドー)。』
『フィー(次の満月の日もまた、
見に来るヤドー)。』
『そうですたいガメ~、
また見に来ると良いですたいガメ~。』
・・・
「ブヒ、
そうだったブヒか。」
「ピュー、
一番だと思っていたオレが
イノブタに負けて二番で、
さらにやど助にも負けていた三番
だったピューか・・・」
「自らの目が認識不完全のビー玉だったと
思ってしまうピュー。」
「そうですたいガメ~、
これゆえに
おいどんはやど助が一番乗りとして
物言いを付けたですたいガメ~。」
「満月岩に言われては
オレも形無しだピュー、
オレの負けでいいピュー。」
「ブヒ、
ぼくちゃんも負けブヒ。」
「これにより、
今回のレースは決着がついた
ですたいガメ~。」
というわけで、
今回の満月岩ナイススポット杯(?)の
一番乗りは、やど助に決まった。
「フィー(再度vサイン)。」
「今回のレースの約束だピュー、
勝利者の言う事を聞いてやるピュー。」
「フィー(別にないヤドー、
みんなで満月岩の月明かりで
お月見が出来れば何よりヤドー)。」
「ピュー、
これからはオレも一番乗りにはこだわらず、
のんびり月見をするピュー。」
すると、
満月岩ガメの甲羅へ、
コンブを伝って周辺の生き物達が
集まって来た。
「良い満月だカニー。」
「月明かりが温かいウニー。」
「月見びよりサザエねー。」
今まで来ていなかった生き物達も、
風の声助の心改めに安心した。
そして続々と満月岩に集まって来た。
・・・
「ところで
イノブタ・・・じゃなくてプグ助、
お前はなぜここへ来たんだピュー?」
「ブヒ、
ここへ来た目的は・・・
何だったか思い出してみるブヒ。」
すると、
回路しゃんが小声でプグ助に伝えた。
「プグ助さん、
風の声助さんには、
「風のメユの減少を調べる為」と、
言って下さい。」
「ブヒ、
風のメユの減少を調べるため・・・
という事ブヒ。」
すると、
風の声助は・・・
「おぅ、風のメユピューか、
風のメユを制御しているのは、
オレとお前がクラフト勝負した
二つの無人島にある
「風のコア」だピュー。」
「ここしばらくは風のコアを
メンテナンスしていなかったから
出力が下がっていたのかも
知れないピュー。」
「後でチェックしておくから
安心するピュー。」
訳の分からないプグ助だったが、
回路しゃんが小声でプグ助に言った。
「プグ助さん、
風のメユについては後から説明します。」
「今回の目的は無事に果たせたので
安心して下さい。」
「ブヒ、そうなの?
まぁ、それなら何よりブヒ。」
と、
新たな疑問が出来たものの、
プグ助は風の声助や海の生き物達と、
のんびり月を見ながら話をしたりして
時を過ごした。そうしていると・・・
「お~プグ助、
無事じゃったか~、
心配したぞ~。」
と、
じっちゃんが舟で迎えに来てくれた。
プグ助はじっちゃんの舟で
陸に戻る事になった。
ニュープグ助号は、風の声助が
無人島に運んでくれる事となった。
「ピュー、
無人島に戻しておけば、
無人島の土に帰っていくピュー。」
「ブヒ、
風の声助さん、ありがとうブヒ。」
というわけで、
プグ助はじっちゃんの舟に乗り、
陸へ戻っていった。
・・・
「おぅプグ助、
何だか顔つきがしっかりしたのぅー。」
「ブヒ、
いい経験が出来たからかも知れないブヒ。」
「風で飛んで行った時は心配したが、
まぁ無事で何よりじゃわぃ。」
じっちゃんの舟に乗りながら、
プグ助は海風を体に感じていた。
すると、
風が吹き抜けていった。
その風にはメッセージがのっていた。
「ピュー、
プグ助よ、
風のコアはメンテナンスしておいたピュー。
風のメユの減少は元に戻ったはずだから
安心するピュー。」
この声を聞いたプグ助は、
ゆりかごの様な舟の心地よさに、
思わず熟睡していた。
プグ助は自然に抱かれながら、
疲れた体を癒していた。
「ブヒ・・・
風が心地よいブヒ・・・」
(なぞの無人島編 完)
次回予告
次の目的地へ向かう
プグ助と回路しゃんだったが、
プグ助は疑問を持っていた。
「風のメユの減少について
教えてほしいブヒ。」
「プグ助さんには
言っていなかった事なので、
疑問に思ったとは考えていました。」
そして、
プグ助達は次の目的地へ到着する。
「あら、
もう行くの?
おばちゃんもっと話したいから
残念だわ。」
「ブタちゃんも
またいらっしゃいね、
おばちゃんお菓子用意しておくから。」
「ブヒ、
ここへ立ち寄ったら
また来るブヒ。」
そしてさらに、
プグ助達は
別の場所へ行く事になった。
「そうざんすね、
スゴ腕の名職人
「メシルコ」の元へ急ぐざんす。」
「・・・ブヒ、
その職人さんの名前を、
もう一度言ってみてほしいブヒ・・・」
・・・
プグ助と回路しゃんの旅路の先に
待ちうけているものとは?
プグ助の、いろんな味を食べてまわるブヒー旅
次回に、どうぞご期待下さい。
(つづく)
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